2000年代初め以降、フィリピンは外国企業からカスタマーサポートやセールス業務を受託することで100万人を超える雇用を生み出した。

  だが、ここにきて自動化の波が押し寄せコールセンターの雇用が脅かされている。ヘルスケアや銀行、ファイナンス、保険などの分野のより高いスキルが求められる職務への需要に対応するため、アウトソーシング業界は労働者の再教育を迫られている。

  フィリピンコンタクトセンター協会(CCAP)のジョジョ・ウリガン会長は4日、マニラにある自身のオフィスでのインタビューで、「最大の課題は人材だ」と指摘。「新たに生まれたニーズに対応するには技術の専門知識や経験を十分に持つ人材が不足している」と話した。

フィリピンのセブにあるコールセンター
フィリピンのセブにあるコールセンター
写真家:高橋くに/ブルームバーグ

  フィリピンは世界最大のコールセンター委託先となっており、アクセンチュアやアメリカン・エキスプレス(アメックス)などの企業がコールセンターを移している。魅力的なのは比較的安い賃金と欧米との文化的な親近感、1億人に上る人口で英語が堪能な人が多いことだ。

  ニューヨークを拠点とするコンサルタント会社ソロンズ・キャピタル調査によると、しっかりとした再研修が行われなければ外部委託された仕事の半分余りが今後数年で失われる可能性がある。

  世界の大手アウトソーシング会社の一部のトップらは今月、フィリピンに集まり、自動化による影響への対応で新たな戦略を練るとCCAPのウリガン会長は明かす。各企業では大卒で経験も豊富、技術的な専門知識を持ち、再研修も容易な労働者を求める動きが強まっているという。

  こうした懸念材料が業界の成長見通しを抑えつつある。CCAPは収入の伸びが2022年まで年間8%になると予想。過去には10%を超えていた。「人材は技術と同じペースで進化することはできない」とウリガン会長は語った。

原題:Call Center Nation Puts Up a Fight as Automation Steals Jobs (1)(抜粋)

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