特殊ガラス製造などを手掛けるオハラは、電解質に液体を使った既存のリチウムイオン電池の性能向上に効果が見込める独自開発の添加剤を開発した。開発競争が激化している電気自動車(EV)で使うリチウムイオン電池向けとして、2019年にも販売を始めたい考えだ。

  オハラ執行役員の中島耕介特殊品事業部LB-BUビジネスユニット長は、電池メーカーによる低コスト化と性能向上の両立は限界に近く「少量で大きな効果のある性能改良添加剤があればというニーズをピンポイントでついた」と指摘。走行距離を伸ばしたい内外の自動車、電池メーカーの「関心は非常に高い」と述べた。

  自動車業界では、日産自動車が航続距離を従来より伸ばしたリーフの販売を開始したほか、トヨタ自動車とマツダ、デンソーはEV開発会社を共同で設立。世界ではエンジン駆動自動車の販売規制に動くなど、EVの普及に向けた開発競争が激化している。こうした中でオハラは添加剤の需要を見込んでいる。

  中島氏によると、添加剤には独自開発のガラスセラミックス素材「LICGC」を利用。電解液系リチウムイオン電池の正極に添加すると出力や容量が向上するという。全固体電池向けの部材として開発中だったが商品化に時間がかかるため、電解液系リチウムイオン電池向けの添加剤として先行して販売し、電池事業の早期収益化を図る。

  全固体電池の部材としてオハラが開発中の酸化物系固体電解質について、中島氏は現状では出力を上げにくいため、「車載は難しいが、時計や携帯電話などの小型電池に向いている」とし、パッケージ技術や溶接技術を持つ電池メーカーなどと協力し、まずは小型電池向けに製品化する道を探っていることを明らかにした。将来的には出力を改善し車載用としても製品化したい考えだ。

  オハラの株価は16年8月ごろまで500円台で推移していたがその後、電気自動車関連銘柄として人気を集まり上昇傾向を強め、5日終値はその4倍となる2132円となっている。

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