中国の民泊で最大級の途家(トゥージア)は、中国から日本への個人旅行者の増加と中国からの対日不動産投資意欲の高まりを背景に、日本での事業拡大に乗り出している。日本国内で現在約1万件の宿泊用登録物件を今後20倍に拡大する目標を支えるのは、対日不動産投資に意欲的な中国人投資家の存在だ。

  途家の日本法人、日本途家の鈴木智子社長はインタビューで「上海や北京と比べると、京都、大阪、東京の不動産は割安で、中国人の投資意欲は高い」と述べた。同社の宿泊物件は日本に居住する中国人のほか、対日不動産投資をする中国のファンドなども提供しており、現在全物件の半分を中国人オーナーが占めるという。100部屋規模で提供できるような中国人投資家もおり、中国から不動産を探す投資家がひんぱんに来ているという。鈴木社長は「保有するビル1棟を全部、あるいは一部を民泊にするか考えている顧客もいる」と述べた。

  訪日外国人観光客は増加が続いている。観光庁が発表した8月の訪日外客数は8月として過去最高の247万8000人で、中国は初めて80万人を超えて単月として過去最高だった。6月に住宅宿泊事業法(民泊新法)が成立したことも追い風だ。鈴木社長は「中国では日本が旅行先としては常にトップで、個人旅行のトレンドが今後も進むと予想している」と語った。

  同社は日本国内で現在1万件強の宿泊登録物件を19年までに10万件以上、25年には20万件を目指している。先行する米エアビーアンドビーの日本での宿泊施設の登録件数は5万5000件(9月1日現在)。鈴木社長によると途家の施設利用者は95%以上が中国で、日本に来る個人旅行者の増加が今後も見込まれるとの見方を示した。その上で、登録物件の2割程度を自社管理物件にする計画で、所有または借り上げを検討中としている。

  日本途家は宿泊料金の3%を手数料として貸主から受け取る仕組みになっている。日本での事業拡大を目指す中、現在8人のスタッフ数について鈴木社長は「19年までには倍くらいにしたい」と語った。途家は11年に設立され、本社は中国の北京市、現在までの利用者数(アプリダウンロード数)は累計で1億8000万人。日本での物件紹介では楽天とも提携をしている。

  途家が中国国家統計局のデータを基にまとめた資料によると、中国人の海外旅行者数は05年の3000万人から16年は1億3500万人に増加したが、それでも総人口約14億人のうちの1割弱にとどまっており、今後上昇の余地があると見込まれている。

  

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