TOPIXが小反落、過熱感や円安鈍さ重し-金融、輸出一角さえない

更新日時
  • 国内政治情勢への不透明感も、首相候補巡り民進・希望党首が会談
  • ビールなど食料品、養殖クロマグロ期待の水産株は高い

5日の東京株式相場は、TOPIXが小反落。テクニカル指標からみた過熱感が残る中、良好な米国経済統計が続いているにもかかわらず、米金利や為替市場での円安の鈍さが嫌気された。保険や銀行など金融株、電機や精密機器など輸出株の一角が安い。

  半面、ビールの値上げ表明による収益改善期待が続いたアサヒグループホールディングスを中心に食料品株は高く、一部報道をきっかけにクロマグロの完全養殖事業への期待が広がった水産株は急伸。相場全般の下方圧力も限られた。

  TOPIXの終値は前日比2.07ポイント(0.1%)安の1682.49と、3営業日ぶりに安い。日経平均株価は1円90銭(0.01%)高の2万0628円56銭と小幅に4日続伸。

  東海東京調査センターの中井裕幸専務は、「東証1部の騰落レシオが一時130%を超え、選別投資や短期逆張りにスタンスを変えていく局面。米国の経済指標は良く、ドル上昇で為替は1ドル=113円を超えてもいいが、112円台」と指摘。115円にならないと企業業績の上方修正期待が出にくい上、総選挙も票読みがしづらく、「アベノミクスが続くのか終わるのか大きな分岐点。10月中旬は政局の不透明さを織り込みにかかる」との見方を示した。

東証内

Photographer: Yuriko Nakao/Bloomberg

  米国で4日に発表された供給管理協会(ISM)の9月の非製造業総合景況指数が12年ぶりの高水準となったほか、米国株が最高値を更新した流れを受け、きょうの日本株は小幅に上昇して取引を開始。しかし、過熱感や株式市場の参加者が期待するほど為替市場でドル高・円安が進まず、TOPIXは午前半ば以降、マイナス圏での推移が続き、日経平均も前日終値を挟みもみ合った。

  東証1部の上昇・下落銘柄数の百分比である騰落レシオは、4日時点で128%と目先過熱を示す120%を依然超えたまま。日経平均の相対力指数(RSI)も過熱圏を示す70%以上にある。

  4日の米10年債利回りは2.32%と前日に比べほぼ横ばいだった影響もあり、きょうの為替はドルの上値が重い展開。午前に1ドル=112円90銭台を付けた後、午後にかけては同70銭台でこう着した。米国市場では週末6日に9月の雇用統計の発表を控える。

  国内政治情勢の不透明感も積極的な買いを入りにくくさせている。5日午後の共同通信の報道によると、民進党の前原誠司代表と希望の党の小池百合子代表が都内で会談し、首相候補の早期決定で一致。前原氏は小池氏に衆院選への立候補を要請したが、小池氏は固辞し、6日に再会談する方向で調整しているという。野村証券投資情報部の若生寿一エクイティ・マーケット・ストラテジストは、「小池氏が本当に衆院選に出ないのか、あすが一つの山だと言われている。相場は短期的にスピード違反であり、調整する形になりやすい」と話していた。

  東証1部33業種は保険、陸運、卸売、精密機器、電機、鉄鋼、化学など22業種が下落。上昇は水産・農林、食料品、石油・石炭製品、繊維、輸送用機器など11業種。水産では5日付の日本経済新聞報道を受け完全養殖のクロマグロ出荷への期待が広がった日本水産が急伸し、食料品は値上げのプラス効果を期待するビール3社など飲料メーカーの上げが寄与した。売買代金上位ではジャパンディスプレイやセイコーエプソンが安い半面、任天堂や石川製作所、今期の営業利益計画を上方修正したイオンは高い。

  • 東証1部の売買高は13億7835万株、売買代金は1兆9940億円、代金は9月11日以来の2兆円割れ
  • 値上がり銘柄数は597、値下がりは1341
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