民進党の分裂で事実上の野党第1党として衆院選に臨むことになった小池百合子東京都知事が代表を務める希望の党。「しがらみ政治からの脱却」などを掲げるが、安全保障など基本政策で自民党との大きな違いは見えず、専門家からは「選択しにくい選挙」との声も上がっている。

希望の党の小池百合子代表
希望の党の小池百合子代表
Photographer: Akio Kon/Bloomberg

  希望の党は集団的自衛権の行使を条件付きで可能とする安全保障法制を基本的に容認し、9条も含めた憲法改正について議論を進める立場で、自民党と明確な差はない。差別化する政策として希望の党が打ち出しているのが、2019年10月に予定している「消費増税の凍結」と「原発ゼロ」だが、同党の経済やエネルギー政策の詳細は明らかになっていない。

  日本大学の岩井奉信教授は、与党と希望の党の間で政策の違いが明確ではないことに加え、各党の政権公約が出そろっておらず「非常に有権者からすると選択のしにくい選挙だ」と指摘する。政策論争が深まらないままであれば「結局、安倍晋三政権が続いてほしいのかほしくないのか」という選択にならざるを得ないとも語った。

安倍晋三首相
安倍晋三首相
Photographer: Akio Kon/Bloomberg

  共同通信が9月30日、10月1日に実施した世論調査によると、比例代表の投票先政党は自民党が24.1%、希望の党が14.8%だった。NHKが9月29日から3日間実施した政党支持率に関する調査では、自民党が30.8%だったのに対し、希望の党は5.4%との結果も出ている。

  希望の党は今回の衆院選を政権選択選挙と位置付けているが、首相候補は決まっていない。民進党の前原誠司代表は5日、小池氏との会談で衆院選への出馬を要請したものの、固辞された。小池氏は同日、衆院選後に開かれる特別国会での首相指名選挙への対応を記者団から問われたが、「仲間と話をしていきたい」と述べるにとどめた。

  

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