所得増えてもたばこ支出伸びず、安価な「ビディ」が人気

  • スリランカでは刻んだタバコの葉を巻くビディが人気
  • セイロン・タバコはアジア上場たばこ会社として最も高い営業利益率

英ブリティッシュ・アメリカン・タバコ(BAT)のスリランカ部門セイロン・タバコによれば、同社の市場での地位がビディと呼ばれる巻きたばこに脅かされている。

  コロンボを本拠とするセイロン・タバコの財務ディレクター、エマ・リドリー氏はたばこ増税で一部の喫煙者が価格の安い代替品に流れ、同社の利益率が下がり続けるだろうと話す。同社はアジアの上場たばこ会社としては最も高い営業利益率だが、2016年には64%と前年の67%から低下した。

  スリランカ政府は昨年、付加価値税(VAT)の税率を15%に引き上げた。セイロン・タバコが販売する最も安いたばこでも、タバコの葉を刻んで巻くビディの約4倍の値段だ。ビディ業者に対する規制は緩く、増税幅も小さめだ。国内たばこ市場は約11億ドル(約1240億円)規模と推計されている。

  リドリー氏は「17年にはビディがたばこ市場の少なくとも半分を占め、法規制の対象となるたばこ業界に対する深刻な脅威になると予想している。安い代替品で我慢する消費者が増え、正規たばこ製品の値ごろ感はますます低下する」と言う。

  同氏によれば、たばこ市場全体におけるビディのシェアは昨年時点で約44%と、07年の20%から上昇。セイロン・タバコはまた、密輸たばこの市場シェアが16年の2%から今年は約8%に上昇するとみている。

  だがセナラトネ保健相は、ビディの市場シェア拡大は誇張されていると主張。たばこ・酒類規制当局(NATA)トップのパリタ・アベイコーン氏は、刻んだタバコを巻くタンデュという木の葉の輸入が増えておらず、ビディのシェア拡大を示す証拠はないとしながらも、ビディに対する規制強化が検討されていると語る。リドリー氏によると、政府のデータは公式に輸入されたタンデュ葉の数値に基づいている。 

  セイロン・タバコは増税の影響を抑えようと、収益性を維持するため工場のシフトを減らすなど合理化や「スマートなコスト管理」に取り組んでいるとリドリー氏は述べる。同社の株価は年初から20%上昇と、スリランカ株の指標コロンボ全株指数の4.7%高を大きく超える値上がり率となっている。

  喫煙を減らすため、たばこ課税を強化している政府はスリランカだけではない。スリランカの国民1人当たりの所得は過去10年で倍以上となったが、所得増にもかかわらず都市部の世帯では酒類・たばこへの支出が減っていることを政府のデータが示しているとアジア・セキュリティーズのアナリスト、マンガリー・グーネティリーク氏は指摘する。

  たばこへの支出は続いているものの、家庭内の出費における割合はここ数年にわたり小さくなっている。同氏によると「所得水準の上昇に伴い、一般世帯はヘルスケアや教育、交通への支出割り当てを増やす」ためだという。

原題:Most Profitable Asia Cigarette Maker Faces Cheap Cigar Flood (2)(抜粋)

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