バーゼル資本フロア巡る対立緩和も-クオールズ氏、流れ変えると期待

  • FRB銀行監督担当副議長に指名されたクオールズ氏は上院承認待ち
  • バーゼル銀行監督委は4、5日に会合を持ちバーゼル3見直しを協議

バーゼル銀行監督委員会における銀行資本規制「バーゼル3」見直し作業は、いわゆる「アウトプットフロア(資本フロア)」の水準などを巡る対立が1年にわたり続いてきた。米国では連邦準備制度理事会(FRB)の銀行監督担当副議長にトランプ政権が指名したランダル・クオールズ氏が、上院の承認待ちとなっているが、この人事が対立を和らげる希望の光と受け止められている。

  バーゼル3の見直し作業は、昨年後半にチリの首都サンティアゴで開かれた会合でいったん合意に近づいたものの、その後独仏が主導する欧州と米国との対立で暗礁に乗り上げた。昨年の米大統領選でトランプ大統領が当選し、国際合意への米国のコミットメントを巡る疑念が広がったことで、分裂は深まるばかりとなった。

  協議の事情に詳しい複数の関係者によれば、FRB副議長に指名されたクオールズ氏は、前任の銀行監督担当のタルーロ前理事よりも柔軟ではないかと考えられており、交渉の流れを変える可能性がある唯一の材料と期待されている。

  ブリュッセルを拠点とするシンクタンク、ブリューゲルの上級研究員ニコラス・ベロン氏は「クオールズ氏が着任するまでは行き詰まりの状態が続くだろうが、その後は恐らく新たな活力を伴って全てが再び始動すると予想される。米政権の政治的スタンスによって、彼が合意に動くことが不可能になるかどうかが問題だが、そうなるとは思わない」と指摘した。

  バーゼル銀行監督委は4、5日に会合を持つが、銀行の内部モデルによる資産リスクの計測結果が、標準的手法をどの程度まで下回ることを許容するかを定めるアウトプットフロアを巡り意見が分かれている。タルーロ氏は内部モデルに断固反対する立場を貫き、FRBを中心とする米当局はアウトプットフロアを厳しく設定することが必要だと主張。内部モデルを銀行が多用する日本と欧州の監督当局は、フロアが高くなり過ぎれば保有する資産のリスクが低い金融機関が不当な扱いを受けると反論している。

原題:Fed’s Next Bank Cop Seen as Icebreaker in Basel Capital Standoff(抜粋)

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