原子力規制委員会は4日の会合で、東京電力の柏崎刈羽原発6、7号機(新潟県)について、再稼働の前提となる安全対策が新規制基準に適合していると認める審査書案を了承した。2011年の福島第1原発の事故後、東電の原発の新規制基準への適合が認められるのは初めて。

  今後1カ月間の審査書案への意見募集(パブリックコメント)を経て、正式に合格を決定する。福島第1原発と同じ沸騰水型(BWR)の原発としても初となる。新規制基準に基づく安全審査では6原発12基が合格しているが、すべて加圧水型(PWR)と呼ばれるタイプだった。

  東京電力ホールディングスは5月に発表した新たな再建計画で、柏崎刈羽原発については「地元本位・安全最優先」との理念に沿って対応すると表記。再稼働によって福島事故による住民への損害賠償や廃炉に必要な資金確保につなげたい考え。東電では原子炉1基の稼働によって年間で約400億-900億円のコスト減につながると試算している。

  一方、新潟県の米山隆一知事は、事故原因や健康と生活への影響、安全な避難方法について委員会を立ち上げて検証を進めるとしており、今後3年程度をかけて検証を終えるまでは再稼働についての議論はしない方針を示している。

  東電HDは同日、審査書案の了承を受けてコメントを発表。引き続き規制委による審査に真摯(しんし)かつ丁寧に対応するとした上で、福島復興や福島第1原発の廃炉、賠償をやり遂げるとともに、原子力の安全性向上に取り組み、柏崎刈羽原発のさらなる安全性、信頼性の向上に努めると表明した。

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