米国では結婚相手のえり好みと晩婚化が進んでいる。半数の結婚が離婚で終わる今は、不幸な婚姻関係を解消するのはずっと容易になっている。だとすれば、米国人の結婚はこれまで以上に幸せになっているはずだが、本当にそうだろうか。

  実際のところ、米国人の結婚はクオリティーという面でかなり低下している。引き続き大半の米国人は自らの結婚を「とても幸せ」だと語るが、その割合は60%と1970年代前半の68%から低下した。

 Analysis of General Social Survey data by Philip Cohen, Univ. of Maryland; moving average
Analysis of General Social Survey data by Philip Cohen, Univ. of Maryland; moving average

  何が米国人の婚姻関係を悪化させているのかを探るため、メリーランド大学のフィリップ・コーエン教授(社会学)は最近の総合社会動向調査(GSS)を活用し、結婚を最も幸せと感じさせる要因を分析した。大半が面談で行われるGSSは長期にわたり米国人の認識と行動を調べている。

  女性よりも多くの男性が結婚は幸せだと回答しており、これは女性と比べ男性の方が結婚から得るものが多い傾向を示唆する他の調査結果と矛盾しない。驚くことではないが、一般的に家族と貞節を強調する信心深さも結婚における幸福度で一定の役割を果たしているようだ。

 Analysis of 2012 to 2016 General Social Survey data by Philip Cohen, Univ. of Maryland
Analysis of 2012 to 2016 General Social Survey data by Philip Cohen, Univ. of Maryland

  極めて強い政治信条を持つ米国人が穏健な人々より幸福だと感じる理由を突き止めることはより難しい。「強烈な政治観の既婚者ほど、配偶者も同じ考え方をしている可能性が高まることはあり得る」とコーエン教授は語る。

  だが同教授が分析した全ての要因の中で、米国人にとって結婚の幸福度に最も大きな影響があるのは経済状態だ。GSSでは、調査参加者は「上流」「中流」「労働者」「下流」のどの階級に属するか尋ねられる。数百万人という中流層が失業し巨額の富が失われた「グレートリセッション(大不況)」により、自らを下流・労働者階級だと答える参加者が顕著に増え、「非常に幸せ」な結婚だと回答した割合は、下流層が上流より17ポイントも低かった。

 Analysis of 2012 to 2016 General Social Survey data by Philip Cohen, Univ. of Maryland
Analysis of 2012 to 2016 General Social Survey data by Philip Cohen, Univ. of Maryland

  経済的に満たされた人々はそうでない人と比べ一般的にストレスが少なく、休暇を楽しんだり配偶者に贈り物を買ったりする余裕がある。だが労働者階級・中流層では幸福度が大きく低下する。他の調査も、貧しい人々にとっては結婚することも結婚を続けることも難しいことを示している。

  アメリカン・エンタープライズ研究所(AEI)が最近発表したリポートは、所得により婚姻率が大きく変わると指摘。18-55歳の婚姻率を見ると、「貧困層」で約4人に1人にとどまるのに対し、労働者階級は39%、中流・上流が56%だという。

原題:Rich Men With Extreme Politics Have the Happiest Marriages(抜粋)

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