Illustration: Steph Davidson

今100万円を投資するならどの資産がふさわしいかーー。ブルームバーグ・ニュースが米国市場で断続的に行ってきた専門家への調査をこのほど日本でも実施した。100万円の分散先として有望視されているのは新興国株や日本の建設株、ハイイールド債、豪州債などだ。テーマとして人工知能(AI)や電気自動車(EV)に注目する声も上がる。

日本銀行券やドル紙幣
日本銀行券やドル紙幣
Photographer: Tomohiro Ohsumi/Bloomberg

  アセットマネジメントOne運用本部の柏原延行調査グループ長は、「日米欧3極がバランスの取れた成長に移行している上、新興国も資源価格の上昇で経済成長が安定してきている」とみる。世界のマネーフローに影響を及ぼし得る米国金融政策の変化も、危機対応モードから正常化方向への修正は緩慢なペースで進むと市場関係者は予想しており、金利の急騰や先進国株式の急落は避けられるとの見方が多い。

  一方、リスクとして警戒されているのは米国の政治停滞と財政問題だ。三井住友アセットマネジメントの市川雅浩シニアストラテジストは、米国の債務上限適用停止期間が切れる2017年12月には「債務上限問題が蒸し返されるため、米国のデフォルトリスクが残っている」と言う。その場合、米資産売りでドル安が進み、米景気が腰折れする可能性があると懸念を示している。調査は9月4ー12日にかけ実施、運用想定期間は半年とした。

【ドルトン・キャピタル・ジャパン 松本史雄シニアファンドマネジャー】

50万円日本の建設株、中堅素材メーカー株
50万円現金
  • 日本には割安な中小型株が多く、十分リターンが狙え魅力的
  • 米国株はバリュエーションが割高で、中国株は経済の先行き不透明感が強く、個別企業のバランスシートや損益計算書への信頼感性も低く、投資魅力に乏しい
  • 世界景気は回復局面で今後も堅調を予想、債券投資はグローバルにもうからない

【三井住友アセットマネジメント 市川雅浩シニアストラテジスト】

35万円先進国株式、AI関連に投資するグローバルな投資信託、EV向け電池部材メーカーなど日本企業を多く含む化学株ファンド
20万円新興国株式、日本から地理的に近く、情報も入りやすいアジア株式ETF
20万円グローバルなハイイールド債
15万円米国の投資適格社債ファンド、安全資産との位置づけ
10万円グローバルなREIT
  • FRBやECBは市場の反応を見ながらゆっくりと金融政策の正常化を進めるとみており、金利が跳ね上がることはない
  • リスクを取りやすい環境は続き、向こう1年程度は株式より債券のリターンが高くなろう

【アセットマネジメントOne運用本部 柏原延行調査グループ長】

30万円新興国株式、MSCIエマージングマーケットETF
20万円欧州株
10万円米国株
10万円日本株、TOPIX連動ETF
15万円「AAA」格の豪州債、豪州は先進国と同時に資源国で、通貨の信用力や債券利回りが高い
15万円預金、元本保証型金融商品
  • インドやブラジルなど新興国のインフレ率は低下し、中央銀行による金融政策の自由度が高まっている点がポジティブ
  • トランプ米政権の経済政策に対する期待感が剥落していた中での財政改革、法人税率引き下げはポジティブに働く
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