日本航空(JAL)は、米国やインド向けなど国際線の路線拡充を目指すなかで、2019年度から順次受け取る予定の欧州航空機メーカーエアバスの最新鋭大型機「A350」型機の追加購入を視野に入れている。

  同社は13年に31機のA350の購入を表明。この確定発注分に加え25機の「オプション」と呼ばれる予備購入契約も締結した。植木義晴社長は9月28日のインタビューで、31機に追加する形でオプション分を正式発注として確定させることは「可能性としては十分ある」と話した。

  4月に発表した中期経営計画では20年度末に16年度比で1機増加との機材計画を示したが、この内訳は「国際線が8機増、国内線は7機減」になるという。国内線ではできるだけ小型機材のものを退役させる方針だと話した。同社は9月にボーイング「B787」型機の購入で契約した20機分のオプションのうち、4機を発注したばかり。

Airbus SE A350-1000
Airbus SE A350-1000
Photographer: Chris Ratcliffe/Bloomberg

  A350は、胴体と主翼に炭素繊維複合材を使用し従来機に比べ軽く燃費が良い。またエアバスが設けた新基準の快適性に適合した最新鋭機種。確定発注分31機でカタログ価格ベースで総額約9550億円の投資となる。まず19年度に国内線に導入する計画だ。JALがエアバス機を導入するのは今回が初めて。

  また、植木氏は20年までの羽田、成田両空港の発着枠拡大後について、北米やインド路線の拡充を検討しているという。北米路線では「東海岸、中部、西海岸に空域を分けてバランスよく配置したい」との考えを示した。同社は4月に米東海岸向けに羽田ーニューヨーク線を新たに開設したばかり。

  インドについては、経済成長も続いており日本企業も積極的に進出していることから、「今まで以上に重要になってくる」と指摘。さらに、日本を経由した北米までの旅客需要をうまく捉える必要があるとし、中期的には未就航のミャンマーやカンボジアに関心があると話した。競合するANAホールディングスは両路線をすでに運航している。

相次ぐ共同運航発表

  JALは9月にインドの国内線航空会社ビスタラとの共同運航について発表。同国の地方路線までの一環したサービスを提供することで日本企業の需要を取り込む。7月にはベトナムの格安航空会社ベトジェットエア、9月には米ハワイアン航空との共同運航を発表。植木氏は提携だけではなく、自前の路線網を構築しなければ本当の意味での成長は望めないと述べた

Yoshiharu Ueki
Yoshiharu Ueki
Photographer: Akio Kon/Bloomberg

  同社は10年の経営破綻後に政府支援でよみがえり、路線や人員削減などのリストラ効果のほか法人税の免除などで業績は急回復。国交省はJALに対して破綻後に規制してきた路線開設や新規投資などの制約を3月で解除した。17年度第1四半期の純資産合計は約1兆円と競合するANAHDとほぼ同額だが、利益余剰金では約6340億円とANAHDの1.7倍と差を付けているが、これまで大型の投資や買収は行っていない。

  植木氏は同社が投資で「過去にばかげたお金の使い方をしていたのは事実」と指摘。破綻したことで同社内では社員の間に積極的に投資を進めにくい雰囲気が広がっているという。「投資家の期待も分かっている。自社株買いだけでは不十分」と考えている。永遠に航空事業一本やりとは考えてはいないとし「事業領域を広げ効率的にお金を回す投資を本気で考えなくてはならない」と語った。

最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE