2日の東京株式相場は、TOPIXが小幅に続落。米国の個人消費支出(PCE)統計が低調で、米経済に対する楽観的な見方が後退したほか、テクニカル指標からみた過熱感が重しとなった。銀行や海運、陸運、石油株が下げ、新車検査の不備で在庫販売を停止した日産自動車も安い。

  一方、取引開始前に日本銀行が発表した企業短期経済観測調査(短観)は、大企業・製造業DIが10年ぶりの高水準となり、足元の良好な国内景況感は相場全般を下支えした。

  TOPIXの終値は前週末比1.13ポイント(0.1%)安の1673.62。一方、日経平均株価は44円50銭(0.2%)高の2万0400円78銭と反発し、9月25日に付けた年初来高値を更新。

  しんきんアセットマネジメント投信の藤原直樹運用部長は、米PCEについて「この前の消費者費者物価(CPI)は良い数字だったが、米国のインフレ率が高まるにはまだ時間がかかる」と指摘。今週も「米国の金利や経済指標がテーマ」とし、今の為替水準では日本株に力強さはなく、「1ドル=115円にならないと上値の壁突破は難しい」との見方を示した。

東証内
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Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

  米商務省が9月29日に公表した8月の個人消費支出(PCE)は、食品とエネルギーを除くコア価格指数が前月比0.1%上昇と、市場予想(0.2%上昇)を下回った。同指数は、米連邦公開市場委員会(FOMC)が2%のインフレ目標の基準としている。

  また、国内の政治情勢に対する不透明感も続いた。共同通信が9月30日と10月1日に実施した世論調査によると、安倍内閣の支持率は40.6%と前回調査から4.4ポイント低下、不支持率の46.2%が上回った。衆院選での比例代表の投票先政党については、自民党が24.1%、希望の党が14.8%だった。 

  ただし、野党再編を巡っては希望の党へ合流意向の民進党内が揺れている。共同通信が2日に報じたところ、民進党の枝野幸男代表代行は新党結成に動き、野田佳彦前首相や岡田克也元代表は無所属で戦う考えを示した。東洋証券の大塚竜太ストラテジストは、「野党がねじれて仲間割れ、与党は大勝しないまでも、過半数獲得の目標に近づいている」と話した。

  名実ともに10月相場入りしたきょうの日本株はTOPIX、日経平均とも反発して始まった後、TOPIXは早々にマイナス圏に沈んだ。米統計や国内政局のほか、テクニカル指標からみた過熱感も上値抑制要因の一つ。東証1部の上昇・下落銘柄数の百分比である騰落レシオは前週末時点で130.1%と、目先過熱を示す120%を依然超えたままだ。しかし、日経平均はプラス圏を維持、年初来高値を更新して終えるなど下方圧力も限定的で、良好な国内景況感が下支え役となった。

  日銀がけさ発表した9月短観では、大企業・製造業の業況判断指数(DI)がプラス22と4期連続で改善し2007年9月調査以来、10年ぶりの水準に上昇した。一方、非製造業はプラス23と横ばい。しんきんの藤原氏は、「強かった。国内も順調に回復している」とした半面、「先行きはばら色という感じではない」とも言う。

  東証1部33業種は石油・石炭製品、倉庫・運輸、空運、海運、繊維、陸運、卸売、銀行など18業種が下落。上昇はゴム製品、鉄鋼、保険、ガラス・土石製品、精密機器、金属製品、電機など15業種。下落率トップの石油は日銀短観で先行きDIが12ポイント悪化の見通しとなり、上昇率トップのゴムはSMBC日興証券がブリヂストンなどの目標株価を上げる材料があった。

  売買代金上位では、国内販売会社の在庫車の登録手続きを一時停止する日産自、今期利益計画を下方修正したアダストリアが安い。半面、小野薬品工業やファナック、昭和電工は高く、豪州の出資先炭鉱から配当金を受けた住石ホールディングスは急騰。

  • 東証1部の売買高は13億5584万株、売買代金は2兆635億円、代金は日経平均銘柄のリバランスの影響があった前週末から3割減った
  • 東証1部の値上がり銘柄数は1116、値下がりは838

  

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