仮想通貨取引で革命起こしたいオベッド氏、分散型の取引所を創設

  • 仮想通貨イーサリアムのブロックチェーンで分散型取引所が可能に
  • 仲介者が不在-完全な相対取引でアカウントもない

A chart of bitcoin prices against Japanese yen is displayed on a computer monitor via software for trading virtual currencies in Tokyo, Japan.

Photographer: Tomohiro Ohsumi/Bloomberg

高頻度取引会社の米バーチュ・ファイナンシャルで世界的なトレーディングシステムの構築に尽力し、同社を電子取引のマーケットメークでほぼ一貫して利益を上げる会社として有名にしたマイケル・オベッド氏が、今度は仮想通貨の取引所のあり方に革命を起こそうとしている。

  同氏が共同創業したエアスワップは、分散型の取引所だ。仮想通貨イーサリアムのブロックチェーンという新しい技術が可能にした。分散型ネットワーク上で取引記録を管理する同技術の下、売り手と買い手の間に権限を握る者は存在しない。代わりに、スマート・コントラクトと呼ばれるコンピュータープログラムが世界のどこかで仮想通貨を取引する投資家同士を引き合わせてくれる。取引は完全に相対なのでユーザーアカウントはなく、身元も明らかにならない。

  「新しいのは、ニューヨーク証券取引所もナスダックも介在せず、規則を決める者がいないことだ。これは今までになかった」と、グリニッチ・アソシエーツでブロックチェーンに詳しい市場構造アナリストのリチャード・ジョンソン氏は話す。

  これこそは、金融や不動産取引などさまざまな業種で仲介者をなくすという、ブロックチェーン支持者の多くが達成したがっていることだ。仮想通貨取引をコントロールしようとする政府の試みに対しても自由になれるかもしれない。

  中国当局は仮想通貨の国内取引所を閉鎖しつつあるが、エアスワップのような分散型の取引所は「閉鎖できない」とオベッド氏は話す。口座もないので「このシステムで中国のトレーダーが取引しているかどうかも分からない」という。
 
  エアスワップはDRWホールディングスやDVチェーンなど仮想通貨を売買する大手機関投資家を引き付けたい考えだ。仮想通貨取引の60-80%は店頭取引で行われているとみられ、この部分の取り込みを目指す。大手投資家の多くは仮想通貨について、金融市場インフラや既存取引所の監督体制の不備を懸念材料としている。

  エアスワップは基本的に、こうした大手機関投資家が「取引をし、新たな顧客と出会うための合理的なシステム」だとオベッド氏は述べた。

  ただ、エアスワップのような取引所はその構造上、マネーロンダリング(資金洗浄)対策や顧客確認プログラムがない。このため、当局がこうした点を問題視する可能性が最大のリスクかもしれないとグリニッチのジョンソン氏が指摘した。

 

原題:This 31-Year-Old Wants to Revolutionize Cryptocurrency Trading(抜粋)

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