ドルは112円後半に反発、期末フロー中心-米指標や国内政治動向注目

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  • 米利上げや米税制改革を期待した米金利上昇・ドル高は一服
  • 日本の選挙を意識、世論調査などでドル・円は上下へ-あおぞら銀

東京外国為替市場ではドル・円相場が1ドル=112円台後半へ反発。月末・四半期末に絡んだフロー中心の展開の中、ドル買いがやや優勢だった。市場の関心は今夜から来週末にかけて発表される米経済指標や日本の政治動向に集まっている。

  29日午後3時41分現在のドル・円は前日比0.2%高の112円60銭。月末・期末に絡んだドル買い需要が指摘される中、一時112円73銭まで上昇した。前日の海外市場では米国の利上げや税制改革への期待を背景とした米金利上昇・ドル高は一服、ドル・円は113円台から112円26銭まで反落していた。

  あおぞら銀行市場商品部為替マーケットメイク課長の渡辺秀生氏は、方向としてはドル高だが、「年内の米利上げをこれ以上織り込んで、ドルが上に行けるかというと限界がある」と指摘。そうした中で、「材料として控えているのはトランプ政権の税制改革案が実現できるのかどうか。あとは日本の選挙で、世論調査の結果などを受けて相場が上下するのではないか」と話した。

  米国でこの日、8月の個人消費支出(PCE)が発表される。注目は米連邦準備制度理事会(FRB)が2%のインフレ目標の基準とするPCE価格指数で、ブルームバーグ調査の予想中央値は前年比1.5%上昇、コアが同1.4%上昇。7月はいずれも1.4%上昇だった。来週は9月の米供給管理協会(ISM)製造業指数や雇用統計など米重要指標の発表が相次ぐ。

  三菱UFJ信託銀行資金為替部為替市場課の池島俊太郎課長は、週末に北朝鮮絡みの悪材料が出なければ、「本邦勢による期初の益出しから米金利が上昇しやすい可能性」があり、米経済指標も良好であれば、ドル・円は114円台や115円台を意識した相場が続くと予想している。

  一方、みずほ銀行の唐鎌大輔チーフマーケットエコノミストは、今月はFOMC(米連邦公開市場委員会)がタカ派となり、期待していた税制改革が出たが、「これ以上のドル買い材料が出るか疑問」と指摘。そうした中で目先は日本の総選挙の動向を見極めたいとし、与党が議席を減らす可能性もあり、「海外勢はリフレトレード活発化と安直な見方だったのが、円を買い戻す材料になる可能性がある」と話した。

  ユーロ・ドル相場は1ユーロ=1.17ドル台後半でもみ合い。今週はドイツ議会選挙での与党辛勝を受けた政治的不透明感の高まりなどを背景に1.1717ドルと8月18日以来の水準までユーロ安・ドル高が進んだ。今週末にはスペインのカタルーニャ自治州政府が、裁判所が違法と判断した独立を問う住民投票を実施する計画。

  ブルームバーグ調査によると、この日発表される9月のユーロ圏の消費者物価(CPI)は前年比1.6%上昇と、8月の同1.5%上昇を上回る見込み。28日発表の9月の独CPIは欧州連合(EU)基準で前年比1.8%上昇と前月と同水準にとどまった。

  唐鎌氏は、ドイツのCPIでさえ市場予想を下回っており、「欧州中央銀行(ECB)は金融政策の正常化ができるのかが焦点」と指摘。カタルーニャの独立投票については「法的に拘束力を持たないので意味はないと思う」とした上で、来週のユーロ・ドルは「ドイツの連立政権交渉の動向次第だが、下げ方向」を予想した。  

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