【日本株週間展望】堅調、内外景気と業績先行きを楽観視-過熱感重し

  • 弱め予想の米経済指標、ハリケーンの一時的要因との見方主流
  • 衆院選は自民の過半数期待根強い、今後は世論調査など注視へ

10月1週(2ー6日)の日本株は堅調が見込まれる。米国景気や国内の景況感・企業業績の回復基調が崩れていないとの見方から、株価の見直し気運が強まりそうだ。半面、株価の短期的な過熱感は上値の抑制要因になる。

  米国では9月の重要経済指標の発表が相次ぐ。2日は供給管理協会(ISM)の製造業景況指数、4日はISM非製造業景況指数、6日に雇用統計があり、エコノミストらはISM製造業が前の月の58.8から57.5、非製造業は55.3から55.1への低下、雇用統計の非農業部門雇用者数は15万6000人増から7万5000人増への伸び率鈍化を予測している。ただし、低調な内容もハリケーンの一時的要因と受け止める向きが多く、予想以上に悪化しなければ、むしろ米長期金利の上昇や為替のドル高・円安につながり、日本株に好影響を与える可能性がある。

東証内株価ボード前のイメージ画像

Photographer: Yuriko Nakao/Bloomberg

  一方、国内では2日に日本銀行が企業短期経済観測調査(短観)を公表する。市場予想では、大企業製造業の業況判断DIがプラス17から18、非製造業はプラス23から24へ小幅に改善する見込み。2017年度の大企業全産業の設備投資計画は前年度比8%増から8.4%増へ上方修正されそうだ。日本の政局では、衆院解散後の希望の党や民進党など野党の連携を考慮しても、自民党の過半数確保の可能性は高いとの観測があり、政策期待も持続する見通しだ。

  もっとも、9月中旬以降の上昇ピッチの速さから、テクニカル指標上は目先過熱感が出ている。東証1部の上昇・下落銘柄数の百分比を示す騰落レシオは28日に6月1日以来の130%台となり、過熱圏を示す120%以上にある。また、トランプ米大統領の減税政策実現への懸念が再燃したり、衆院選情勢で与党の苦戦などが伝われば、戻り売り圧力が強まる可能性はある。9月4週の日経平均株価は週間で0.3%高の2万0356円28銭と小幅ながら3週続伸した。

  • ≪市場関係者の見方≫

りそな銀行アセットマネジメント部の黒瀬浩一チーフ・マーケット・ストラテジスト
  「強含むだろう。米国での税制や日本の選挙、ドイツの組閣などしばらくは政治絡みの材料が多い。米国の税制は法案成立の見込みが小さいと予想されるが、一方で反対勢力の切り崩しが進んでいるようにもうかがえ、市場の期待をつなぎ留めることに成功している。ハリケーンの一時的要因を除けば、現在は米景気指標が悪くなるような外部要因はない。衆院選は、希望の党がどうなるか不透明な面はあるが、民進党や維新を足して計算すれば純増分はわずかとなりそうで、自民の単独過半数は間違いない。希望の党の経済政策を一部取り込むことで、行き詰っていたアベノミクスに光が見えるかもしれない」

ドルトン・キャピタル・ジャパンの松本史雄ファンドマネージャー
  「高値圏でのもみ合いを予想。TOPIXのPERは16倍と過去の平均的な水準にあり、もう一段上へいくにはバリュエーションが拡大する必要がある。それには来年度業績を織り込む必要があるが、7ー9月期決算の発表シーズン前の今はまだ早い。米国の減税期待もいったん織り込み、まだ実現には紆余曲折があるとの冷静な見方になっている。急速に進展するとは考えづらい。衆院選はマーケットを動かしそうな新たな論点は出にくいとみているが、希望の党や民進党の動向を受け自民党の支持率が低下するなら、株価にはネガティブに働く可能性がある。一方、7ー9月期も好調な企業決算が予想され、通期業績の上方修正期待は下値を支えそうだ」

大和住銀投信投資顧問・経済調査部の門司総一郎部長
  「日経平均は来週以降、2万0500円をフロアーとするレンジに移行、来週は2万0500ー2万0700円と予想する。日銀短観、米国のISM製造業景況指数ともに良い内容となる可能性が高く、相場の基調は右肩上がり。日本は景気が良い状況が続き、企業の業績観測記事も上振れ含みのものが多い。米国も9月のマークイット製造業PMI速報値が良く、ISMは好内容が見込める。法人減税の方針が示されている点も企業にとってはモチベーションが上がる話だ。長期上昇という観点からは、徐々に高値を更新するのが望ましい。ただ、衆院選の状況をみたいという向きは多く、政治に左右される展開も予想される」

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