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ヘッジファンドら海外勢がひと足先に選挙モード-日本株買いに転じる

  • 安倍内閣の支持率回復をきっかけに海外勢は買い出動
  • 海外勢は9月2-3週に先物を約2兆1000億円買い越し
Visitors look at the trading floor at the Tokyo Stock Exchange.

Visitors look at the trading floor at the Tokyo Stock Exchange.

Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg
Visitors look at the trading floor at the Tokyo Stock Exchange.
Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

安倍晋三首相が解散総選挙を表明する前の2週間で、ヘッジファンドなど海外投資家は先物市場で日本株の大幅な買い越しに転じていた。

  大阪取引所が公表した投資部門別売買動向によると、海外勢は9月2-3週(11-22日)に先物(ミニ含むTOPIX、日経平均合計)を約2兆1000億円買い越した。年初から9月中旬にかけては、現物で約8300億円売り越していた。

  海外勢による買いの一部は、国内メディアの総選挙観測に先んじていた。北朝鮮の度重なる挑発行為への安倍首相の対応に日本国民の関心が向かう中、首相の支持率が上昇していた背景がある。安倍氏は過去にも支持率が比較的高かった際に解散総選挙に打って出たことがあり、そうした局面で日本株は値上がりする傾向にあった。

  三菱UFJモルガン・スタンレー証券の藤戸則弘投資情報部長は、「自民党が勝利という形になった場合は上昇トレンドを強める」傾向があるため、「ヘッジファンドが狂ったように買い戻した」と語った。

  9月12日付読売新聞朝刊は安倍内閣の支持率が50%に上昇し、3カ月ぶりに不支持を上回ったと報道。安倍首相が解散総選挙に踏み切るとの観測が出始め、解散方針の報道が出た週末連休の明けた19日、TOPIXは前営業日比1.8%上昇し、2年1カ月ぶりの高値を付けた。

  過去のデータは、日本株が選挙に対してポジティブに反応する傾向があることを表している。ゴールドマン・サックス・グループによると、1993年以降8回実施された衆院選の際、TOPIXは投票日にかけて上昇した。今月19日以降のTOPIX上昇率は2.3%。  

  2012年の第2次安倍内閣発足後、経済政策「アベノミクス」の成否見通しが海外勢の日本株への投資意欲を左右してきた。13年に日本銀行の黒田東彦総裁が異次元緩和を始めると、海外勢は日本株を大きく買い越したが、アベノミクス期待が15年までに後退すると、売り越しに転じた。16年には一段と売りに回り、今年も年初からみれば売りスタンスだった。

Shifting Tides

  ヘッジファンドが今回の選挙後も安倍氏が政権を強化できるとみているなら、確実にそうなるとは言えない。最新の世論調査で自民党はリードしているものの、連立与党で3分の2議席を獲得できなければ、安倍氏は来年の自民党総裁選で再選されない可能性がある。同氏は連立与党で過半数を取れなければ辞任する考えだ。さらに、小池百合子東京都知事が立ち上げた新党「希望の党」が状況を複雑にさせる。最大野党の民進党は希望の党に合流する方針を示した。

  安倍首相が発表した2兆円規模の政策パッケージに対しても疑問の声が挙がっている。ピクテ投信投資顧問の松元浩常務執行役員は、「教育無償化は確かに助かるかもしれないが、設備投資や雇用を増やす効果のある政策ではない」とし、マーケットの流れに乗るつもりはない考えを示した。

  それでも、日興アセットマネジメントのチーフ・グローバル・ストラテジスト、ジョン・ベイル氏(ニューヨーク在勤)のように、ヘッジファンドなどが今月の2週間に行ったようなアベノミクスへの賭けは理にかなっていると見る向きは多い。

  ベイル氏は「今回の選挙は市場に幾分のボラティリティーをもたらすかもしれない」と述べる一方、「過去4年余りの間にアベノミクス効果が非常にプラスだったように、中期的にもポジティブだろう」と語った。

原題:Hedge Funds Bet Billions on Japan Stocks Before Abe Called Vote(抜粋)

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