日本株は反発、米税制改革期待と円安で輸出中心買い-TOPIX高値

更新日時
  • 米10年債利回りは2カ月ぶり高水準、為替は1ドル=113円台に
  • 衆院解散で選挙戦突入、民進党代表は希望の党への合流を提案

28日の東京株式相場は3日ぶりに反発し、TOPIXは年初来高値を更新。米国の税制改革進展による景気刺激期待が広がったほか、為替のドル高・円安推移が好感された。電機や機械など輸出株、繊維や化学など素材株が上げ、米長期金利の急伸から金融株、原油上昇を受け石油株も高い。

  TOPIXの終値は前日比11.74ポイント(0.7%)高の1676.17、日経平均株価は96円06銭(0.5%)高の2万0363円11銭。TOPIXは2015年8月11日以来の高値。
  BNYメロン・アセット・マネジメント・ジャパンの王子田賢史・日本株式運用部長は、「トランプ米政権の政策は何も実現できないと諦めムードが漂っていただけに、今回の税制改革案の提示は若干ポジティブ」と指摘。世界景気が上向き、米長期金利も上昇しやすく、為替が1ドル=115円を意識する環境で上期決算の発表を迎えるのは「日本株にはプラス」とみていた。

国会議場

Photographer: Tomohiro Ohsumi/Bloomberg

  トランプ米大統領と共和党首脳部は27日、法人税率を現行の35%から20%に下げることを柱とした税制改革概要を正式に発表。トランプ大統領はインディアナ州での演説で、経済成長や平均的労働者の賃金上昇を促す革命的な変化だと述べ、米国史上最大の減税になろうと述べた。

  野村証券投資情報部の若生寿一エクイティ・マーケット・ストラテジストは、「25%への引き下げが精一杯というのが下馬評だったにもかかわらず、20%で法案が成立すれば、ポジティブ」と言う。

  また、米商務省が27日に発表した8月の耐久財受注は、航空機を除くコア資本財が前月比0.9%増と市場予想の0.3%増を上回った。減税期待や統計堅調を材料に米国株は銀行、テクノロジー株中心に上昇、S&P500種株価指数は0.4%高と最高値(2508.24)に接近した。一方、米国債は大幅安となり、10年債利回りは2.31%と7ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇、2カ月ぶりの高水準を付けた。

  為替市場ではドルが買われ、27日のニューヨーク市場では一時1ドル=113円20銭台と7月14日以来のドル高・円安水準に振れた。きょうの東京市場では、午前は112円台後半まで円安の勢いが一服したが、午後は再度113円台に入った。

  一方、安倍晋三首相は28日昼、臨時国会冒頭で衆議院を解散。10月22日の投開票に向け、事実上選挙戦が始まった。野党第1党の民進党の前原誠司代表は午後の両院議員総会で、小池百合子東京都知事が率いる希望の党との事実上の合流を提案。NHKが前原氏の演説を中継した。野党は再編含みで、選挙の構図は流動的だ。大和証券投資戦略部の高橋卓也シニアストラテジストは、民進の希望への合流は「自民党には票を入れたくないという層に一定の訴求力を持つ」と分析。事前の票読みに比べ与党側苦戦の可能性が出てきた、との認識を示した。

  東証1部33業種は金属製品、繊維、その他製品、ガラス・土石製品、機械、石油・石炭製品、保険、銀行、鉱業など30業種が上昇。石油や鉱業は、予想外の米在庫減少で前日のニューヨーク原油先物が0.5%高と反発したことがプラスに働いた。電気・ガス、海運、小売の3業種のみ下落。電気・ガスは、衆院選で原子力発電所政策への風当たりが強まるとの観測が響いた。

  売買代金上位では、ゴールドマン・サックス証券が新規に投資判断を「買い」とした東海カーボンが急騰。東海カボンにドイツの黒煙電極メーカーの米子会社株を売却し、独社買収が実現する見通しとなった昭和電工も大幅高。上期利益が従来予想を上回ったユニー・ファミリーマートホールディングスも高い。半面、上期営業減益と販売管理費の増勢がアナリストから嫌気されたニトリホールディングスは大幅安。

  • 東証1部の売買高は16億358万株、売買代金は2兆7404億円、代金は前日から32%増えた
  • 値上がり銘柄数は1461、値下がりは494
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