仮想通貨投資で295%のリターン-危険なデリバティブでレバレッジ

  • イートロはCFDという高リスクのデリバティブを扱う証券会社
  • 投資の手本を示すスミス氏はリテール投資家9000人以上を指南

Jay Smith, a crypto-currency trader, Basingstoke

ジェイ・スミス氏は仮想通貨の暴落をほぼ確信している。

  ビットコインの価格は過去1年に6倍になった。仮想通貨ブームで、新興企業による新規仮想通貨公開(ICO)が行われない週はないほどだ。パリス・ヒルトンさんも自身の仮想通貨投資についてツイートした。暴落は目前だとしか思えない。

  だがオンラインブローカー、イートロのトップ仮想通貨トレーダーのスミス氏はこうした暴落の兆候にひるまない。ロンドン郊外の自宅から取引する同氏は毎日、ビットコインや他の仮想通貨を買い増す理由を探している。

  ブラックムーン・クリプトやスティーム、ファーストブラッドなど目新しい名前の仮想通貨の将来性を判断するための情報が多くあるわけではないがかまわない。同氏のポートフォリオは過去1年で295%上昇しているのだから。「運転もできないが、テスラを注文した」と29歳の同氏は言う。

 

ジェイ・スミス氏

写真家:Luke MacGregor / Bloomberg

  スミス氏が投資のプラットフォームとしているイートロは、キプロスの営業免許と英金融行動監視機構(FCA)の認可を得ている。そこでは9000人以上のリテール投資家が同氏の助言に耳を傾け、同氏をまねて取引している。

  イートロは差金決済(CFD)という高リスクのデリバティブ(金融派生商品)を扱う証券会社の1社だ。少額の証拠金を預託して、売買の価格差を決済するこの取引は高いレバレッジを働かせることができる。

  例えばイスラエルの金融サービス会社プラス500は、30対1のレバレッジを提供。ベリーズで登記しているXTBインターナショナルは仮想通貨取引会社として2017年の最優秀賞を受けたと宣伝している。

  CFDは取引所では売買されず総じて流動性が低い。レバレッジを効かせているため投資家の損失は巨額になり得る。米国はリテール投資家によるCFD取引の大部分を禁止しているが、欧州ではこの商品のリスクへの対応が始まったばかり。

損切り注文

  イートロの文書には小さな文字で「投資した金額以上を失う可能性がある」とリスクについて開示しているが、同社ロンドンオフィスの責任者イクバル・ガンダム氏は、実際には強制的な損切り注文が出される仕組みのため当初に預託した金額以上を失うことはないと説明。CFDと仮想通貨の組み合わせがリテール投資家にとって有害だという考えは否定した。

  「分からなければ、誰かのまねをすればいい」と同氏は言う。そこでスミス氏の出番となる。14歳で学校を中退し、プロのビデオゲームプレーヤーとなった同氏はその後デイトレーダーとなり、株式を経てビットコインを売買するようになった。17年の早い時期までにはビットコインのほかイーサリアムやライトコインなどが発行するさまざまな仮想通貨のポートフォリオを構築していた。

  07年に創業したイートロは株式と通貨、その他の証券を扱っていたが、14年にビットコインを扱いの対象に加え、今年2月からはその他の仮想通貨にも拡大した。さらに、携帯電話への通知やユーチューブに掲載したビデオ、ロンドンの地下鉄内の広告などでリテール投資家へのマーケティングを開始。仮想通貨取引を提供する他のCFD会社と同社を差別化するのが「物まね取引」だ。

  スミス氏は社員ではないが、同氏の取引に追随した資金の少なくとも2%を受け取る。26日時点の数字に基づくと、同氏をまねる投資家9143人の資金1150万ドルから、年間約23万ドル程度を稼ぐことになる。

原題:Cryptocurrency Derivatives? You Bet. This Trader Has 295% Return(抜粋)

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