ドル・円が上昇、米税制改革案への期待感で-112円台半ば

更新日時
  • 午後に一時112円59銭まで上昇と4営業日ぶり高値
  • 海外利益還流の税率引き下げもあれば113円回復の可能性も-ANZ

東京外国為替市場のドル・円相場は上昇。この日公表される米税制改革案への期待感から、1ドル=112円台半ばまで水準を切り上げた。

  ドル・円は27日午後3時35分現在、前日比0.3%高の112円57銭。前日の海外時間の流れを引き継いで朝方からドルが堅調に推移し、米税制改革案の内容に関する報道が流れると112円台半ばまで上昇した。スポット取引の受け渡しが9月末に収まる最終日にあたり、年度半期末を控えた国内企業の売りが上値を抑えると112円20銭台まで上げ幅を縮小する場面も見られたが、午後にはじり高となり、一時112円59銭と4営業日ぶり高値を付けた。

  オーストラリア・ニュージーランド銀行(ANZ)マーケッツ本部の吉利重毅外国為替・コモディティー営業部長は、ドル・円の上昇について「米税制改革案に関する報道を好感した」と指摘。「法人税引き下げについては大幅な引き下げについて懐疑的な見方もあったが、20%との計画のほか、個人所得最高税率が35%に引き下げが見込まれることも好感材料になった」と述べた。

  事情に詳しい関係者3人によると、トランプ米大統領と共和党指導者は27日に税制改革案を公表する。法人・パススルー事業体減税や、個人所得税の最高税率を現行の39.6%から35%に引き下げることなどを提案するが、高所得者向けにさらに高い税率区分を設定するかについては議会に判断を委ねる。同大統領は米東部時間の同日午後に税制改革案について演説する。

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  ANZの吉利氏は、米税制改革案について「ドル・円は実際に公表されるまでは期待でしっかりとなりやすい」と予想。「海外利益の国内への還流に課している税率の引き下げの具体的なものもあれば、ドル・円は113円を回復する可能性もある」と述べた。

  NBCフィナンシャル・マーケッツ・アジアのデービッド・ルーディレクター(香港在勤)は、「月末を控えて本邦企業の売りがドル・円の上値を抑えやすい」とした上で、米税制改革案が発表されれば出尽くしとなる可能性を指摘。ただ、「イエレン米連邦準備制度理事会(FRB)議長が12月での利上げに向けてタカ派的なスタンスを取っており、112円前後は支えられそう」と述べた。

  イエレンFRB議長は26日の講演で、金融政策について、インフレを巡る不確実性が強まっており、緩やかな利上げが現在のところ最も適切なスタンスだとの認識を示した上で、「ゆっくりし過ぎないよう注意するべきだ」と発言。これを受けて市場での年内の利上げ予想確率は7割程度に回復している。

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