「北の体制崩壊」は今もタブー、最悪シナリオへの備えを米中語れず

  • 北朝鮮の体制が崩壊すれば、大量破壊兵器確保で米中両国が軍投入も
  • 米中が介入した際の対応も真剣に考えておく必要があるとベネット氏

北朝鮮を抑え込むための対話が米中間で続けられているが、金正恩朝鮮労働党委員長の体制が崩壊すれば何が起きるかという問題は、今も触れてはならないタブーのようだ。

  戦略国際問題研究所(CSIS)の上級研究員ボニー・グレイザー氏によれば、外交政策の権威である米中の学識経験者らが、政府以外の外交活動を指す「トラック2」を通じて行う対話の場で、米国側がこの問題を取り上げようとしても中国側が拒絶する状況が何年も続いてきた。

  中国側の立場からすれば、この問題を公式に取り上げれば、1950年代の朝鮮戦争以降ずっと中国の支援を受けてきた北朝鮮を警戒させることになりかねず、将来の朝鮮半島統一で米国を有利にする言質を与えかねないという懸念もある。

「火星12」の打ち上げを見守る金正恩朝鮮労働党委員長

写真家:KCNA / EPA

  グレイザー氏は「そのような努力をわれわれが最初に試みた際、中国側はわれわれや米当局者を含む他の多くの関係者に対し、彼らが米国側とそのような議論を行えば外部に漏れ、北朝鮮の知るところとなり、報復を招くと話した」と語った。

  北朝鮮が核・ミサイル開発を続け、米国との間で武力行使をちらつかせる非難の応酬がエスカレートする中で、オブザーバーらは最悪のシナリオも想定し始めた。

  米有力シンクタンク、ランド研究所の国防研究員で、2013年に北朝鮮の崩壊シナリオに関する政策提言を行ったブルース・ベネット氏は、北朝鮮の体制崩壊が始まれば、大量破壊兵器を確保するために米中両国が軍を投入する可能性が高いと指摘する。寧辺の原子炉を含む関連施設の大部分は、韓国よりも中国に近い場所にある。同氏は米中が介入するケースについて、「お互いどうするのか。握手でもするのか。真剣に考えておく必要があるだろう」と述べた。


原題:China’s Biggest North Korea Taboo: Discussing Life After Kim (1)(抜粋)

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