日本株権利落ちで続落、高配当・優待業種下げ-円安支え、売買高最低

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  • 日経平均落ち分はブルームバーグ試算で約130円、実質的には上昇
  • 下落は電力・ガスや石油、陸運、商社など、電機や海運は堅調

27日の東京株式相場は続落、3・9月期決算企業の権利落ちに絡む売りが響いた。株主優待狙いの動きが一巡した陸運株や外食株のほか、相対的に配当利回りが高い電力やガス、商社株も安い。半面、為替のドル高・円安推移、米国の税制改正の進展期待が相場全体を下支えした。

  TOPIXの終値は前日比8.31ポイント(0.5%)安の1664.43、日経平均株価は63円14銭(0.3%)安の2万0267円05銭。ブルームバーグのデータによると、きょうの権利落ち分はTOPIXで約12.37ポイント、日経平均で約130円だった。
  
  ちばぎんアセットマネジメント運用部の加藤浩史シニア・ポートフォリオ・マネジャーは、「配当落ち分をかなり埋めており、相場は堅調」とした上で、「米朝の武力衝突はない、衆院選は自民・公明の与党で過半数を獲得できるとの安心感から、業績を見にいく相場に移行している」と話した。

東証内

Photographer: Tomohiro Ohsumi/Bloomberg

  きょうの日本株は朝方から権利落ちの影響で安く始まり、日経平均は一時116円安の2万0213円まで下げた。野村証券の佐藤雅彦エクイティ・マーケットアナリストは、「今週はファンダメンタルズや為替動向より、9月末特有の需給要因に左右される展開が続く」とみている。

  また、小池百合子東京都知事が旗揚げし、代表に就いた「希望の党」の設立会見が27日午前に行われ、民進党を離党した細野豪志元環境相らが同席した。共同通信によると、民進党の前原誠司代表が小池氏、自由党の小沢一郎共同代表と会談していたことも判明。SMBC信託銀行の山口真弘シニアマーケットアナリストは、来る衆院選は「安倍首相のもくろみ通りに党勢維持なら安心して買いとなるが、現状ではまだ見極めが必要。今回の選挙の意義が見えず、無党派層が離反するのではないかと神経質な見方もある」と言う。

  一方、権利落ち分の影響を除けば、実質的に相場は堅調とみる向きは多く、為替のドル高・円安が背景の1つだ。この日のドル・円は1ドル=112円20ー50銭台で推移、前日の日本株終了時は111円56銭だった。米連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン議長は26日の講演で、「インフレ率が2%に戻るまで金融政策を据え置くのは賢明ではない」と発言。12月の米利上げ観測の高まりのほか、米税制改革の進展期待も加わった。関係者によると、トランプ米大統領と共和党指導者は27日に税制改革案を公表する。計画では、法人税率を現行の35%から20%に下げ、個人所得税の最高税率を39.6%から35%に見直す。

  ただ、米国の利上げピッチに関しては緩やかになるとの見方がなお支配的。いちよしアセットマネジメントの秋野充成執行役員は、「米国の実体経済は良くなく、金融政策の転換を強力に行えない今の状況は株式にプラス」と話した。26日発表の9月の米消費者信頼感指数は119.8と前月の120.4から低下、8月の新築一戸建て住宅販売は前月比3.4%減の56万戸だった。

  東証1部33業種は電気・ガス、石油・石炭製品、陸運、医薬品、証券・商品先物取引、卸売、非鉄金属、情報・通信など27業種が下落、海運や繊維、鉱業、水産・農林、その他製品、電機の6業種は上昇。海運は、野村証券が船舶の環境規制は老齢船の廃棄を促し、運賃市況の上昇につながりポジティブと分析する材料もあった。

  個別では、JPモルガン証券が投資判断を下げたいすゞ自動車が安く、下落率上位には株主優待取りで前日まで続伸していたゼンショーホールディングスやトリドールホールディングス、コロワイドなど外食銘柄、南海電気鉄道や名古屋鉄道、京浜急行電鉄、近鉄グループホールディングスなど鉄道銘柄が並んだ。半面、米テクノロジー株の反発が安心感につながり、東京エレクトロンや村田製作所が堅調、JPモルガンが業績進捗(しんちょく)率の高さを評価した第一生命ホールディングスも高い。

  • 東証1部の売買高は12億227万株、売買代金は2兆840億円、売買高はことし最低で12年8月27日以来、およそ5年ぶりの低水準
  • 値上がり銘柄数は815、値下がりは895
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