銀行口座が閉鎖された仮想通貨企業も-シンガポールの2団体が公表

  • ACCESSによれば、10社が問題に直面-銀行は理由示さず
  • ACCESS会長はシンガポールに問題解決で指導力発揮を期待

シンガポールで複数の銀行が仮想通貨と決済サービスに特化した幾つかの企業の口座を閉鎖した。金融テクノロジー企業を代表する2つの団体が明らかにした。

  シンガポールの暗号通貨・ブロックチェーン業協会(ACCESS)のアンソン・ジール会長は電子メールで、仮想通貨企業が他国でも取引銀行と同様の問題を抱えていると説明。シンガポール政府にこの問題で介入するよう要請した。「われわれの分析では主要なフィンテックの中心地で共通の問題となっているようだ。事実であれば、シンガポールがリーダーシップ的役割を担い、全当事者にとって効果的な解決策を示すよう求めたい」とコメントした。

  同会長によれば、ACCESSはシンガポールの銀行業務に絡んで10社がこうした問題に見舞われたと報告を受けた。銀行側は理由を示していないという。

  シンガポール通貨庁(MAS、中央銀行に相当)は声明で、銀行各行の「取引関係の確立・打ち切り」を含める商業的判断には介入しないと説明。「銀行各行は顧客取引・関係を含めふさわしい手順と管理を確立し、マネーロンダリング(資金洗浄)とテロ資金活動を阻止するためのMAS規定の顧客デューデリジェンス(査定)要件に従うことが期待される」とコメントした。

  シンガポールフィンテック協会のチア・ホック・ライ会長は一部の会員企業が銀行口座を閉鎖されたことがあると述べたが、具体的な企業数には言及しなかった。フィンテック協会もACCESSも口座を閉鎖した銀行の具体名は控えたが、ACCESSは「広範な金融機関」が閉鎖に動いたと指摘。ACCESSの会員企業数は106で、フィンテック協会は185だが、重複加盟している企業もある。

現行規制の枠組み

  仮想通貨などのサービスを提供しているコインハコは今月に入りブログで、東南アジア最大の銀行DBSグループ・ホールディングスにより銀行口座が閉鎖されたと主張。シンガポール・ドル建ての預け入れ・引き出しプロセスが今後できなくなるとコメントした。

  シンガポールに本社を置くコインハコの共同創業者ユショ・リウ氏は「銀行側がマネーロンダリング防止と顧客の実体を巡る問題を心配しているのだとわれわれは理解している。現行規制の枠組みでわれわれが適合できる場所はどこにもない」と述べた。

  DBSは銀行業の守秘義務を理由にコインハコについてコメントを控えたが、いかなる顧客口座閉鎖の決定もさまざまな要因からなされる可能性があると説明。「口座を適切な状態に維持できなかったり、時宜を得た正確な情報開示がされなかったり、口座内における説明できない矛盾、犯罪もしくはテロ行為の受け入れられないリスク」などが挙げられると電子メールで回答。その上で「仮想通貨を扱う企業との関係模索については引き続きオープンだ」とコメントした。

  オーバーシー・チャイニーズ銀行(OCBC)の広報担当コー・チンチン氏は、リスク管理目的で顧客口座を検証しており、「さまざまな理由からそうした口座を閉鎖する可能性がある」と説明。ユナイテッド・オーバーシーズ銀行(UOB)はコメントを控えた。

原題:Singapore Cryptocurrency Firms Facing Bank Account Closures(抜粋)

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