ドル・円がじり安、米朝関係緊迫でリスク回避-111円台半ば

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  • イエレンFRB議長講演も注目、インフレや金融政策について発言へ
  • ドル押し目買いも、トレンド形成のイメージない-ソニーFH

東京外国為替市場のドル・円相場は1ドル=111円台半ばへじり安。米朝関係の緊迫化でリスク回避の動きがくすぶる中、日本株の下落を背景に円買い圧力がかかった。

  26日午後3時7分現在のドル・円は前日比0.1%安の111円61銭。朝方付けた111円80銭からじりじりと値を切り下げ、午後に111円50銭を付けた。前日の海外市場では、北朝鮮の李容浩外相がトランプ米大統領の国連での発言は宣戦布告に当たるとし、北朝鮮には国連憲章が認める自衛権の下で米国の戦闘機を撃墜する権利があると述べたことを受け、111円48銭まで円高が進んでいた。

  ソシエテ・ジェネラル銀行の鈴木恭輔為替資金営業部長は、「宣戦布告というような言葉が出ている以上、万が一のリスクもあり、様子見せざるを得ない」とし、少なくともドル・円の上値を買っていく感じにはなりづらいと指摘。米国の税制改革法案の発表を控えて、積極的にドルを買うには実際の内容も確認する必要があると語った。

  一方、ソニーフィナンシャルホールディングス金融市場調査部の尾河真樹部長は、「このまま円高に行く雰囲気でもなく、トレンドを形成しているというイメージはあまりない」とし、「下がったらドルを買おうと思っている人もそれなりにいると思う」と話した。  

  25日の海外市場では李外相の発言を受けてリスク回避ムードが再燃。米株式相場が下落した一方、米国債と金先物が上昇した。26日の東京株式相場も下落した。

  この日の米国時間には、イエレン米連邦準備制度理事会(FRB)議長が全米企業エコノミスト協会の会合でインフレや金融政策について講演する。一方、トランプ米大統領は税制に関する演説のため、27日にインディアナ州を訪れる。

税制改革案についてはこちらをご覧ください

  
  FXプライムbyGMOの柳沢浩チーフアナリストは、イエレン議長の講演では緩やかな利上げを続けるとの発言を見込んでおり、ドル・円が「112円台に戻ることはあり得る」と語った。一方、ソニーフィナンシャルホールディングスの尾河氏は、米債務上限の問題もあり、12月の利上げについて現段階で決定づけるような発言をするとは考えにくく、相場を大きく動かす材料にはならないとの見方を示した。

  ユーロ・ドル相場はほぼ横ばいの1ユーロ=1.1848ドル。ドイツの政治的不透明感がくすぶる中、徐々に売りが強まり、1.18ドル台後半から一時1.1836ドルと前日の海外市場で付けた8月末以来の安値(1.1832ドル)に迫った。ユーロ・円相場も1ユーロ=132円台半ばから一時132円02銭と海外時間に付けた約1週間ぶり安値(131円92銭)付近まで下落している。

  欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁は25日、ユーロ圏経済がなお必要としている金融緩和の度合いを維持するような形で措置の再調整を年内に決定すると述べた。また、最近の為替レートの変動は不透明の源であり、監視する必要があると語った。

  ソシエテ・ジェネラル銀の鈴木氏は、ユーロ・ドルは4月からのトレンドラインを割り込んできており、「下値リスクが高まっている」と分析。「目先は1.18ドルの節目を維持できるかが焦点」とした上で、ユーロ安主導の展開となった場合にはユーロ・円の下落圧力も高まる可能性があり、「ドル・円にとって重しとなるリスクもありそう」と語った。

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