シリコンバレーの創業者支配に打撃か-フェイスブック株式計画撤廃で

  • ザッカーバーグ氏は株主提訴を受け、無議決権株を設ける計画撤廃
  • 株価指数提供会社、ガバナンスが甘いとみる企業を除外する傾向

シリコンバレーの新興テクノロジー企業は10年余りにわたり、創業者の支配力を一段と高める方法を見いだしてきたが、株主がとうとうストップをかけた。

  グーグルが2004年の新規株式公開(IPO)で、ラリー・ページ、セルゲイ・ブリン両共同創業者に通常よりも大きな議決権を与えると、グルーポンやジンガ、フェイスブックが追随。今年に入るとスナップは、議決権が全くない株式を発行した。どの場合も投資家は、長期ビジョンの実現には創業者の支配力を高めることが必要だとの企業側の主張を受け入れた。訴訟に持ち込むケースもあったが、常に敗れてきた。

  そして15年。フェイスブックはマーク・ザッカーバーグ共同創業者の支配力を永遠に高めるため、議決権のない株式を設ける株式分割計画を提案。株主が提訴したところ、今回は勝利した。同社が今月22日、同計画を撤回したからだ。ザッカーバーグ氏が同社の支配力を失わずに政府の職務に就くことができるよう定款を変更する提案の撤回も明らかにした。集団訴訟の裁判は数日後に始まることになっていた。

  コーポレートガバナンス(企業統治)強化を唱える非営利団体、米機関投資家評議会(CII)のエグゼクティブディレクター、ケン・バートシュ氏は「無議決権株を発行しようとする企業にとって、それがもうできないという終わりを意味する」とコメントした。 

  政界や規制当局の側にも、株式時価総額が世界最大級に膨らんできた米インターネット関連企業を抑制しようとするセンチメントの変化もある。S&PグローバルやMSCIなど、株式指数の提供会社も採用銘柄を選ぶ際に株主議決権を希薄化させる企業を除外する傾向が見られる。

  フェイスブックを提訴した原告側の代理人弁護士リー・ルディ氏は、同社による計画撤回で「われわれが望んでいた全てが成し遂げられた」と話した。

  もちろん、フェイスブックの決定を受けて他社が創業者の支配力を薄めると誰もが確信しているわけではない。ザッカーバーグ氏は同社株が既に大きく上昇したため、自身の影響力を維持するための新株は必要なくなったと説明。また、裁判になれば、同氏にとって厄介な事実が明らかにされる恐れがあるため、それを避けるために先んじて計画を撤回したとの見方もある。

原題:Facebook Fail Is Blow for Silicon Valley Cult of Founder Control(抜粋)

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