コスモ石油社長:カナダ産原油の調達や中国独立系企業との協力を検討

  • カナダ産原油はゲームチェンジャーになる可能性-小林社長
  • 中国の独立系石油精製企業と原油の相積みで協議中

コスモエネルギーホールディングス傘下のコスモ石油は、カナダ産原油の調達や、中国の独立系民間石油精製会社と原油を同じタンカーに積載する「相積み」を検討している。他の石油元売りが国内業界再編で他社と経営を統合する中で単独路線を歩む同社は、原油調達で独自性を発揮する。

  同社は現在、調達量の約7割を中東を中心とした産油国との間の長期契約に基づいて調達しており、残り3割を余剰となった原油を取引するスポット市場で調達している。多いときでスポット調達の半分程度を、米国や中米など、アジアの石油各社が従来調達の対象としてこなかった国から購入している。

  コスモ石油の小林久志社長はシンガポールでのインタビューで「これまでのところカナダ産原油は購入していない。今後もし、北米大陸の西海岸側から安定的に原油が供給されるのであれば、ゲームチェンジャーになるかもしれない」との考えを示した。

  米パイプライン運営会社キンダー・モルガンが進める「トランスマウンテン・パイプライン」の拡張計画により、カナダ西海岸からの原油供給が2019年以降に本格化することが予想されている。石油輸出国機構(OPEC)が生産量を削減し、中東産原油市況に連動するアジア向け原油の価格が他の地域向けよりも割高になっていることから、中国の独立系石油会社を含めたアジア域内の石油精製各社は調達先を中東以外の地域に広げている。

  小林氏は、こういった状況を背景に同社が中国の独立系石油精製会社と、タンカーへの原油の相積みについて協議中であることを明かした。協議先の企業名については言及を控えた。
  
  カナダ産原油は重質で、付加価値の高いガソリンなどの精製量が少なく、付加価値の低い重油が多く精製される。重質原油を効率良く精製するため、コスモ石油は現在、堺製油所(大阪府堺市)の常圧蒸留装置と重質油分解装置への追加投資を検討しているという。小林氏は、この投資計画は22年3月末を期限とするエネルギー供給構造高度化法三次告示の目標や、国際海事機関(IMO)が20年に厳格化する船舶燃料に含まれる硫黄分の規制への対応策にもなると話した。

IMOの硫黄分規制

  IMOの規制により、これまで3.5%に設定されていた船舶燃料の硫黄分上限は20年1月から0.5%となる。ESAIエナジー(マサチューセッツ州ウェイクフィールド)のリポートによると、この規制により、硫黄分の高い船舶燃料用重油(バンカー重油)市場は「これまでとは異なる方向に向きを変え」、日量120万バレルのバンカー重油需要が失われると指摘している。

  小林氏は「IMO規制の影響は非常に大きい」とし、「理論的には重油の価格が下がり、中間留分の価格が上昇することになる」との見解を示した。

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