ドル・円が上昇、2兆円規模の経済対策や米税制改革への期待で

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  • 五・十日仲値公表にかけて一時112円53銭まで上昇
  • 総選挙や米税制改革など日米の政治要因が市場の焦点-JPモルガン

東京外国為替市場のドル・円相場は上昇。安倍晋三首相が年内に策定する方針を示した2兆円規模の経済対策や米国の税制改革への期待などを背景に、ドル買い・円売りが優勢となった。

  25日午後3時48分現在のドル・円相場は前週末比0.2%高の1ドル=112円26銭。商業決済が集中する五・十日の仲値公表にかけて一時112円53銭まで上昇した後は伸び悩んだ。主要10通貨に対するドルの動きを示すブルームバーグ・ドル・スポット指数は一時0.2%高の1150.40まで上昇した。

  JPモルガン・チェース銀行の佐々木融市場調査本部長は、ドル・円について「日本の総選挙に向けて、市場は円を売る可能性がある。一方、米国では税制改革への期待感などを背景に、ドルは過去2週間、比較的堅調だった。税制改革の計画発表後もドル高が続くのか注目」と述べた。

  安倍首相はこの日の経済財政諮問会議で、消費税率引き上げによる財源を活用して2兆円規模の新たな経済対策パッケージを年内に策定する方針を明らかにした。首相は同日午後6時から会見を開き、28日召集の臨時国会で衆院を解散する意向を表明する。

  一方、米国では月内に税制改革法案の枠組みが公表される見通し。トランプ大統領は先週、近く公表される予定の税制改革案は「最大の減税」になると発言した。

  三菱UFJモルガン・スタンレー証券の植野大作チーフ為替ストラテジストは、「今週は日本サイドのリフレ政策への期待がテーマになる可能性が高い。ドル・円の下は堅いとみている。また米国で今週、減税案が出てくればそれがテーマにもなり得る。ドル買い材料で蒸し返される可能性がある」と語った。

  海外では25日、ドラギ欧州中央銀行(ECB)総裁が欧州議会経済・通貨委員会で証言するほか、ニューヨーク連銀のダドリー総裁、シカゴ連銀のエバンス総裁、ミネアポリス連銀のカシュカリ総裁がそれぞれ講演する。

  ユーロ・ドル相場は同時刻現在、0.3%安の1ユーロ=1.1914ドル。朝方に1.1897ドルまでユーロ安・ドル高が進んだ後、徐々に下げ幅を縮小し、一時1.1937ドルまで値を戻した。

  24日投開票のドイツ連邦議会(下院)選挙では、メルケル首相率いる与党会派が第一党を維持し、首相の4選が確実になったが、2大政党のキリスト教民主・社会同盟と社会民主党は共に議席を減らした。同日投開票のフランス上院選では、最大野党の右派・共和党が第1党の座を維持。マクロン大統領率いる中道与党「共和国前進」は議席を若干減らした。

  三井住友銀行の宇野大介チーフストラテジストは、「独仏選挙結果で与党が議席を減らしたことを受けて、ユーロが売られる局面があったが、切り返している」と指摘。「ドイツは連立を組む相手や組み方が難しく、今後の連立政権協議に時間を要するのかをみながらになる」と述べた。

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