S&P:邦銀の産業リスク見通し「ネガティブ」に-低利で収益悪化

S&Pグローバル・レーティングスは日本の銀行業界の「産業リスク」見通しを「安定的」から「ネガティブ」に引き下げた。長引く低金利や競争激化などが理由。

  同社は22日に発表した資料で、銀行業界のカントリーリスク評価の要素となる産業リスクについて「長引く低金利や銀行間の激しい競争に起因する収益性の低下が、日本の銀行システムの安定性を損なう可能性が増している」と指摘。収益性の低下が加速した場合、今後2年間に産業リスクスコアを引き下げる可能性は3分の1程度あるとした。

  貸倒損失は今後2-3年間、安定的に推移し利益で吸収できるが、景気が減退して与信関係費用が増加した場合には、「現在の薄い純資金利ざやは収益性を一段と制約する要因」となり、銀行の損失吸収力を低下させるとの見方を示した。

  銀行業界の「経済リスク」については、景気回復のモメンタムが維持され、力強さが徐々に増しているとし、見通しを従来の「ネガティブ」から「安定的」に変更した。同社の銀行業界のカントリーリスク評価は経済リスクと産業リスクを総合的に分析して決定する。現在のリスクスコアは10段階評価で「2」と、リスクの低さで2番目にランクされている。

  日本の銀行は日銀が導入した低金利政策を受けて、貸出金利が引き続き低下するとともに、預金金利は実質ゼロ水準に張り付いており、資金利ざやを圧縮している。日銀は21日の金融政策決定会合で、長短金利操作付き量的・質的金融緩和の枠組みによる金融調節方針を維持することを8対1の賛成多数で決定した。

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