【日本株週間展望】もみ合い、円安期待と北朝鮮リスク-期末需給交錯

  • 米新築住宅、耐久財は改善予想、解散総選挙含みで首相会見へ
  • 26日は配当権利付き最終売買日、月末に向け決算対策売りも

9月4週(25ー29日)の日本株はもみ合いとなりそうだ。利上げ方向の米国と異次元緩和を続ける日本の金融政策格差から為替がドル高・円安で推移し、企業業績の改善期待が相場を下支えする。一方、北朝鮮情勢の緊張や9月末接近に伴う決算対策売りの圧力は上値の抑制要因になる。

  米国では26日に8月の新築住宅販売、27日に耐久財受注が公表予定。市場は新築住宅で前月比3.3%増(前月は9.4%減)、耐久財受注は0.9%増(同6.8%減)と改善を見込み、米長期金利やドルの上昇につながる可能性がある。国内政治への期待も日本株のプラス要因だ。関係者によると、安倍晋三首相は衆院を解散し、10月22日の総選挙実施の方針を固めた。首相は25日に会見する見通し。みずほ証券によると、過去9回の総選挙で日経平均株価は8回上昇、解散日から選挙投票日までの平均騰落率はプラス3.2%だった。三野博且シニアストラテジストは、「アノマリーだけでなく、経済重視路線を掲げる安倍政権の態勢立て直しが進むとの期待感もある」と言う。

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Photographer: Akio Kon/Bloomberg

  一方、北朝鮮情勢は再度緊迫化の様相を呈してきた。トランプ米大統領は21日、北朝鮮に追加制裁を科す大統領令に署名。北朝鮮の金正恩・朝鮮労働党委員長は、史上最も強硬な対抗措置を取ることも辞さないとの声明を発表した。ミョウジョウ・アセット・マネジメントの菊池真代表取締役は、「米大統領令は北朝鮮の輸入活動を止めてしまう可能性があり、強烈。北朝鮮が何らかの対抗措置に出る可能性が高い」とし、リスクオフの広がりを予想する。

  需給面では日本郵政株の売り出し価格が25日にも決定する見込み、26日は3・9月決算銘柄の権利付き最終売買日を迎える。週前半は配当取りの買いが入りやすい半面、後半にかけては9月末接近に伴う決算対策、ポジション調整の売りが広がる場面もありそうだ。第3週の日経平均は週間で1.9%高の2万0296円45銭と続伸した。

  • ≪市場関係者の見方≫

ニッセイ基礎研究所の井出真吾チーフ株式ストラテジスト
  「9月末を控えた国内機関投資家や個人投資家の売りと安倍政権の基盤強化を期待する海外投資家の買いで綱引きになると予想する。日経平均の想定レンジは2万ー2万500円。週前半は配当取りの買いで相場は堅調となるが、27日の配当落ちが過ぎれば、買い材料の消失で軟調になると読む。安倍首相が衆院解散の正式表明時に消費税率を10%に引き上げる方針を強く打ち出せれば、海外勢からは有言実行内閣、財政リスクを低めたと評価が一段と高まろう」

アセットマネジメントOneの荻原健チーフストラテジスト
  「米連邦公開市場委員会(FOMC)がインフレ見通しを引き下げたにもかかわらず、利上げ見通しを変えていない点について、連邦準備制度理事会(FRB)関係者の講演でもう少し状況を補足したい。FRB関係者の発言を受け、12月は予防的に正常化の一環として利上げを行う、緩和的な状況は変わらないとの見方が広がれば、米国株を通じて日本株にもプラスに働こう。ただ、足元の好業績は株価に織り込んでいる。リビジョン・インデックスの改善は止まりやすい時期で、業績がさらに上方修正となるには為替のサポートが必要だ」

ミョウジョウ・アセット・マネジメントの菊池真代表取締役
  「北朝鮮情勢を巡る先行き不透明感は強く、積極的にリスクを取れる状況ではない。米朝首脳の言葉の応酬が続くことが嫌気され、投資家のリスクオフ姿勢が強まろう。ドル・円、日本株とも短期間で急騰してきた後だけに、下がり始めたらスピードが速い。日経平均が9月8日の日中安値1万9200円台に逆戻りする可能性がある。衆院解散・総選挙観測の相場に対するプラスの影響は今週でほぼ織り込んだ。来週の国内政治イベントは新たな買い材料とはならない」

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