円全面高、北朝鮮リスク警戒で円買い-ドル・円は一時112円割れ

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  • ドル・円は朝方の112円56銭から一時111円65銭まで下落
  • 北朝鮮リスク高まる中で週末を控えた調整の動き-ドイツ証

東京外国為替市場で円は主要通貨に対して全面高。北朝鮮による地政学的リスクが意識され、リスク回避の円買いが優勢となった。

  22日午後3時16分現在、ドル・円は前日比0.4%安の112円02銭。朝方に112円56銭まで上昇した後、北朝鮮情勢への懸念が高まり急反落、一時111円65銭まで下げた。前日には一時112円72銭と2カ月ぶり高値を付けていた。

  ドイツ証券外国為替営業部の小川和宏ディレクターは、「米連邦公開市場委員会(FOMC)後、市場は短期勢中心にドルロング(買い建て)になっていたこともあり、ドル・円は北朝鮮リスクの高まりを受けて、週末への警戒から調整の動きとなっている」と説明。「北朝鮮リスクに関しては、国連総会以降、けん制発言の表現が厳しくなっており、リスクの高まりが意識される材料には反応せざるをえない感じ」と語った。

  北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長はこの日、国営の朝鮮中央通信(KCNA)を通じて、トランプ米大統領の国連演説に対抗する声明を発表し、米国に対して「史上最も強硬な対抗措置」を取ることも辞さないと警告した。また、韓国の聯合ニュースによると、同国の李容浩外相は、金委員長が声明で言及した「超強硬」の対抗措置とは太平洋上の水爆実験を意味する可能性があると述べた。

  ステート・ストリート銀行の若林徳広在日代表兼東京支店長は、「国連でのトランプ発言などに対して北朝鮮が反発しており、アジアの地政学的リスクが意識されてドル・円の上値は重い」と指摘。一方で、「米連邦準備制度理事会(FRB)高官発言に注目。年内の利上げがあるのか、来年に持ち越しになるのか、ヒントを探す動きになる」と語り、来週は111~113円程度のレンジを見込んでいる。

  海外では22日、サンフランシスコ連銀のウィリアムズ総裁講演がスイスで講演するほか、カンザスシティー連銀のジョージ総裁とダラス連銀のカプラン総裁が米国で講演する予定。

  ユーロ・ドル相場は同時刻現在、0.2%高の1ユーロ=1.1970ドル。ポンド・ドル相場は同時刻現在、0.1%高の1ポンド=1.3592ドル。

  ステート・ストリート銀の若林氏は、「FOMCでバランスシート縮小発表やイエレンFRB議長からのタカ派発言でドル買いになった後、すぐにユーロやポンドは上昇トレンドに戻ってきた」と指摘。「これまで売られたユーロやポンドの長い買い戻し相場に入っている」と分析した。

  メイ英首相はこの日、欧州連合(EU)離脱を巡り、イタリアで演説を行う。EUが求める支払いの受け入れを表明し、袋小路の打破を目指す。英紙フィナンシャル・タイムズによると、メイ首相は英国のEU離脱で200億ユーロを提示する計画。

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