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異常気象で世界のワインに深刻な影響-産地ではしぼんだブドウ廃棄も

米ナパバレーは夏の時点では、今年世界で最も幸運に恵まれたワイン産地の一つとなりそうだった。ひょうや山火事、ブドウを食べるイノシシの被害から免れたためだ。

  ところが今月初めのレーバーデーの週末、焼け付くような記録的な熱波に見舞われ、気温はセ氏約47度まで上昇。ワイン生産者の期待は暗転した。ブドウの実はしぼみ、品質と量に対する懸念が高まった。今週は涼しくなったが、収穫は遅れている。

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しぼんだブドウから良好な状態のブドウを選別する労働者(9月13日)

Photographer: Elin McCoy/Bloomberg

  ワイン造りにとって異常気象はニューノーマル(新常態)となった。春の異常気象はドイツやフランス、イタリア、チリなど各地の今年の収穫に影響を及ぼした。そして収穫直前になって米国のナパとソノマが被害に見舞われている。「こんな年はこれまで経験したことがない」。今年43回目の収穫期を迎えるナパのコリソン・ワイナリーのキャシー・コリソン氏はそう語る。

収穫高は減少へ

  ナパとソノマでは、熱波は8月初めに収穫されたスパークリングワイン用や白ワイン用のブドウには影響を及ぼさなかった。ただ、カベルネ種は深刻な被害を受けた。ワイン造りに携わるブドウ園コンサルタントのスティーブ・マサイアソン氏は「熱波で台無しになった」と話す。

  カベルネが熟するためには暖かさが必要だが、度が過ぎると駄目だ。今夏、ナパは約38度を超える日が20日余りに達した。ブドウは完熟する前に、夜になっても下がることのなかったレーバーデーの週末の熱波で脱水状態となった。水分が蒸発し、熟していないブドウの一部はレーズンのようになってしまった。このようなブドウは調理済みなのに青臭いような味になり、ワインに加工されてもまずい上にアルコール分が高くなる。 

  「房が太陽の光にさらされている場所にあるブドウはどれも影響を受けた」。マウントビーダーにあるブドウ園を運営するアーロン・ポット氏によれば、夜の気温は約29度で、日中は約43度に達した。ニュートン・ビンヤードのロブ・マン氏ら一部のワイン生産者はブドウの木の列の片側に長い布を張って午後の最も厳しい日差しを避けた。

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ほとんど熟したニュートンのブドウ園のカベルネ(9月11日)

Photographer: Elin McCoy/Bloomberg

  コリソン氏は先週、他の多くの生産者と同様に涼しくなる夜間に収穫を行った。3時間睡眠を取った後、午前0時半にヘッドランプを付けてブドウ畑に向かい、夜を徹して収穫した。

  今年のワインがおいしくなるかどうかは、しぼんだブドウを選別できるかどうかにかかっている。ニュートンなど一部のワイナリーは高額の光学選別機を導入した。コンティニュアムのティム・モンダビ氏は「どれだけのブドウを捨てなければならないかは、場所と醸造業者によって異なる」と説明する。例えば、同氏のブドウ園では赤ワイン用黒色ブドウのプティ・ベルドは大半を廃棄する必要がありそうだが、カベルネ・フランとソービニヨンの状態は非常に良かった。このブドウ園は谷の高い部分に位置するが、低い場所にあるブドウ園は被害が大きいだろうと語る。

  結果として収穫高は予想より少なく、一部のブドウ畑では5%から最大35%落ち込むと予想されている。そして欧州の場合と同じく、既に割高なカベルネは確実に値上がりする見通しだ。

原題:This Year’s Extreme Weather Had a Serious Effect on Global Wine(抜粋)

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