日本株は5日ぶり反落、北朝鮮警戒と短期過熱感-鉄鋼など素材下げる

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  • 米大統領は対北朝鮮で制裁策命じる、金委員長は強硬な措置示唆
  • 直近の急伸に比べ下げ限定、米経済堅調や業績期待が下支え

22日の東京株式相場は5営業日ぶりに反落。米国の制裁強化による北朝鮮情勢の緊迫、テクニカル指標からみた短期過熱を警戒する売りに押された。鉄鉱石、金属市況の下落を受け鉄鋼や非鉄金属株が下げ、化学や繊維株など素材セクターが安い。米テクノロジー株安が響いた電機株も軟調。

  TOPIXの終値は前日比4.13ポイント(0.2%)安の1664.61、日経平均株価は51円03銭(0.3%)安の2万0296円45銭。

  損保ジャパン日本興亜アセットマネジメントの角田成広シニアインベストメントマネジャーは、「地政学リスクが高まれば、短期筋が動く上、為替が変動すると日本株のファンダメンタルズにヒットするだけに無視できない」と指摘。一方で、直近の株価上昇については「現状の為替水準なら企業業績は上方修正含みで、先高期待がある。ファンダメンタルズを反映した動き」との見方も示した。

東証内

Photographer: Tomohiro Ohsumi/Bloomberg

  為替の安定から朝方こそ続伸して始まったが、上値の重さを確認すると同時に北朝鮮リスクの高まりも意識され、主要株価指数はマイナス圏に沈んだ。トランプ米大統領は21日、北朝鮮と取引する個人と企業、銀行に新たな制裁を科す大統領令に署名したと発表。北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長は国営の朝鮮中央通信を通じ、米大統領を精神的に混乱した状態にあるとし、史上最も強硬な対抗措置を取ることも辞さないと警告した。

  北朝鮮の李容浩外相は金委員長が言及した超強硬の対抗措置について、太平洋上で史上最強の水爆を爆発させることを意味する可能性がある、と発言。きょうのドル・円相場は、早朝に1ドル=112円40ー50銭付近で推移していたが、李外相の発言を受け円買いが加速、111円60銭台まで円が強含んだ。

  水戸証券の豊田英男投資情報部長は、「連騰で株価位置が高いだけに、北朝鮮リスクで為替が円高に振れたことが利益確定売りのきっかけになった」と指摘。業種、テーマ別株価の動きも統一性を欠き、「かなりの株価水準まで買い切ったという投資家心理が表れている」との認識も示した。主要株価指数が2年ぶり高値圏にある中、東証1部の上昇・下落銘柄数の百分比を示す騰落レシオは21日に117%へやや低下したが、目先過熱を示す120%になお近い状況だ。

  業種別では鉄鋼や非鉄の下げが目立った。21日の中国鉄鉱石価格やロンドン金属取引所のニッケルなど金属市況の下落が嫌気された。米国株市場でアップルなどテクノロジー株が下げ、アルプス電気やミネベアミツミなど電機株も軟調だった。

  もっとも、日経平均が前日までの4営業日で500円以上上げた割には下げ幅は限定的。米労働省が21日に発表した先週の新規失業保険申請件数は減少、低下が予想されていたフィラデルフィア連銀製造業景況指数は上昇した。大和証券投資戦略部の石黒英之シニアストラテジストは、「ハリケーンがあっても米国経済の足腰は強い」とし、日本株にとって米金利上昇・円安を通じて支援材料になり、1円の円安で今期経常利益を0.5%ポイント押し上げると分析していた。

  東証1部33業種は鉄鋼や化学、繊維、非鉄金属、精密機器、小売、情報・通信など19業種が下落。石油・石炭製品、銀行、その他金融、不動産、陸運、電気・ガスなど14業種は上昇。売買代金上位ではJFEホールディングスや日本郵政、資生堂が下げ、米社買収価格が割高とみられたクラレも安い。半面、防衛関連の石川製作所は急伸し、JR東日本やパーソルホールディングス、スクウェア・エニックス・ホールディングスも高い。

  • 東証1部の売買高は16億9371万株、売買代金は2兆5296億円
  • 値上がり銘柄数は636、値下がりは1276
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