ドル・円は2カ月ぶり高値圏、FOMC利上げ見通し維持で-112円半ば

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  • 日銀は金融政策現状維持、片岡氏が「緩和不十分」と反対票
  • 金融正常化から取り残され円売られやすい流れ-外為どっとコム総研

Japanese 10,000 yen and U.S. 100 dollar banknotes are arranged for a photograph in Tokyo, Japan.

Photographer: Tomohiro Ohsumi

東京外国為替市場ではドル・円相場が2カ月ぶり高値圏で推移。前日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で年内の追加利上げ予測が維持されたことを受け、ドル買い優勢となった流れが続いた。

  21日午後3時1分現在のドル・円は前日比0.2%高の1ドル=112円43銭。FOMCの結果を受けてドルが急伸した前日の海外市場の流れを引き継ぎ、午前9時過ぎには一時112円65銭と7月18日以来の高値を更新した。その後は112円台半ばでもみ合いとなり、正午過ぎに日本銀行の会合結果が伝わった後も小幅な値動きが続いた。

  日銀はこの日の金融政策決定会合で、長短金利操作付き量的・質的金融緩和の枠組みによる金融調節方針の維持を8対1の賛成多数で決定した。今回の会合から新メンバーとして参加した片岡剛士審議委員は、「現在のイールドカーブの下での金融緩和効果は2019年度ごろに2%の物価上昇率を達成するには不十分である」として反対した。
  
  外為どっとコム総研の神田卓也取締役調査部長は、「10月はECB(欧州中央銀行)だし、11月には英中銀が動く可能性もあり、日本だけが金融政策の正常化から取り残されているという環境が整いつつある。そうした中で円が売られやすい流れができたのではないか」と指摘。今回の日銀会合での片岡氏の反対票も、前日にFOMCが年内利上げ姿勢を堅持したタイミングで、日米金融政策のコントラストに焦点が当たれば、海外勢に「円売り材料として意識される可能性もある」と話した。

  オーバーナイト・インデックス・スワップ(OIS)取引に基づき推計される12月までの米利上げ予想確率は6割弱となっている。1週間前は5割を下回っていた。FOMCは19、20日の定例会合で4兆5000億ドル規模の保有証券の縮小を10月に開始することを決定。ハリケーンの経済への悪影響は一時的なものになるとの見方を示し、年内あと1回、来年3回の利上げ予測を維持した。

  オーストラリア・ニュージーランド銀行(ANZ)の吉利重毅外国為替・コモディティー営業部長は、「堅調な8月の米CPI(消費者物価指数)が出たときは、北朝鮮リスクも意識されていたので市場の反応は鈍かったが、米金融当局の12月利上げのスタンスを確認し、その分追い付いてきている感じ」と説明。ドル・円は「月内にも一時的に114円台を試す可能性もある」と語った。

  ユーロ・ドル相場は同時刻現在、0.1%安の1ユーロ=1.1882ドル。前日の海外市場では、FOMC結果発表前に1.2033ドルと11日以来の高値を付けた後、一時1.1862ドルまで反落した。

  この日はドラギECB総裁がフランクフルトで講演する。ECBは10月の会合で、債券買い入れ策やフォワードガイダンスの調整について決定の大部分を下すと見込まれている。

  吉利氏は、10月会合に向けて債券買い入れやフォワードガイダンスの変更についてのヒントが出てくれば、ユーロは堅くなりやすく、ドルそのものも少し頭打ち感が出やすいと指摘。半面、「ヒントがなければ、ユーロ主導でドルがさらに上がる可能性もある」と予想している。

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