京都銀行が航空機ファイナンスに参入へ、金利低迷で海外融資を強化

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  • 昨年末に東京に海外融資担当の駐在員を2人配置
  • 中東案件のリスクは準ソブリン、「地銀にも安心」と専門家

Pedestrians walk near a Bank of Kyoto Ltd. branch in Tokyo, Japan, on Wednesday, Feb. 20, 2008.

Photographer: Haruyoshi Yamaguchi/Bloomberg News

京都銀行は、航空機調達時の融資である航空機ファイナンスへの参入を計画している。マイナス金利政策で国内融資の収益率が低下する中、利回りが高く成長性のある同分野で収益向上を目指す。今期(2018年3月期)中に1号案件の実行を予定している。

  ストラクチャードファイナンスを担当する同行関係者が明らかにした。同行は14年春から海外向けローン業務を本格的に開始。取引先以外の上場会社や日本企業と関係がある企業を中心に海外融資案件を探しており、昨年12月には情報収集のため東京に駐在員2人を配置。新たに航空機ファイナンスも手掛けることにした。ドル建て融資が多く収益性が高いのに加えて、市場の成長性も高いという。

  世界の航空機融資需要は、航空業に注力する中東諸国などを中心に増加傾向にあり、ボーイングによると17年の調達額は1260億ドル(約14兆円)の見込み。地銀の間でも中国銀行など同融資を始める動きが出ており、かつてANZ銀行東京支店でプロジェクトファイナンス部門を率いたコンサルタントの井上義明氏は、「特に中東諸国は国を挙げて航空産業に力を入れ、リスクは準ソブリン並み」と指摘。対象企業を選べば海外ネットワークの少ない地銀にとっても安心とみている。

  BNPパリバの鮫島豊喜シニアアナリストは、航空機ファイナンスへの地銀参入の背景について「外債投資がやりにくくなっていく現状の中、国内で利回りが高いものがなく、高利回りのビジネスに行くようになる」と指摘。メガバンクから地銀に融資案件が回ってくる機会も増えてくるとし、その理由としてメガバンクが「自らのエクスポージャーを抑えられ、手数料も入る」ことを挙げた。

  航空機ファイナンスは、航空機を購入し航空会社にリースする特別目的会社(SPC)に対して、融資する仕組みが基本。貸し出し側は機体を担保に取る。

調達

  京都銀の有価証券報告書によると前期(17年3月期)の貸出残高は前年同期比で8.3%増加したが、融資からの利息収入を含む資金利益は6.9%減少している。

  現在の海外向け貸出残高は契約ベースで約48億円。同行の関係者によると、航空機ファイナンスは1件当たりの金額が大きいため、これを行うだけの資金調達は通貨スワップを利用して、円をドルに換える見込みだという。ブルームバーグのデータによると、スワップコストとなる5年物ベーシススワップは60ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)と低下基調にある。

  ただ、ドル金利が昨年末上昇したことが響き、邦銀全体にとって「ドル調達コストは高い状態が続く」とメリルリンチ日本証券の大崎秀一金利ストラテジストは話す。また航空機ファイナンスは12年などの長期案件が多く、コンサルタントの井上氏は期間のリスクがあると指摘している。

  BNPパリバの鮫島氏は、地銀の航空機ファイナンス参入について「外貨調達が安定的にできるかどうか」が課題だと述べ、通貨スワップのほか外債発行や外貨預金、日銀からの調達などの選択肢があると指摘した。

  京都銀の株価は21日、一時前日比1.5%高となった後、0.3%(3円)高の1113円で取引を終えた。

  同行の広報担当は、航空機ファイナンスへの参入についてコメントを控えた。

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