EV向け次世代電池、全ての主要部材の供給目指す-三井金属鉱業

  • 電解液使用しない全固体リチウムイオン電池の部材開発に注力
  • 電池の容量を増やせるシリコンを使用する負極材料を開発中

次世代電池として注目されている全固体リチウムイオン電池開発が進む中、三井金属鉱業は全ての主要部材の供給を目指している。全固体電池は、電気自動車(EV)の走行距離の延長や安全性の向上につながると期待されている。

  トヨタ自動車日立造船などの企業や世界各地の研究所は、電池の温度上昇や発火の原因となる電解液の代わりに固体を利用する全固体電池の開発に取り組んでいる。英国とフランスの政府が2040年までにディーゼル車とガソリン車の販売を禁止する方針を打ち出し、中国も化石燃料を利用する自動車の生産・販売の禁止を検討し始め、全固体電池の開発が加速している。

  三井金属の機能材料研究所の安田清隆所長は、電解液に代わる固体電解質に加えて、「適切な正極材料、高容量の負極材料も合わせて開発を進めており、全ての部材を当社が提供できることを開発目標にして新規大型事業の創出を目指している。ここ2-3年で全ての材料を完成の方向に持っていきたい」と話す。

  現在、リチウムイオン電池の負極材料には主に黒鉛が使われているが、電池の容量を増やせるシリコンを使用する製品を開発中。電解質が固体になると、シリコンが電解液と反応して腐食する現象を防げると安田氏は説明する。

  全固体電池は高温や低温にも強いとされ、自動車以外の幅広い用途で利用される可能性が高い。発電量が不安定な太陽光や風力発電所で出力変動を制御するために蓄電池が設置されるケースがある。

  三井金属の電池材料プロジェクトチームの井手仁彦氏は「太陽光や風力発電設備は世界的に過酷な環境に設置されることが多い。現在利用されている電池は低温で凍るし高温で分解する。遠隔地でも交換しに行かないといけないという課題がある」と指摘。全固体電池の供給先として最も重点を置いているのは自動車だが、非常に過酷な環境に設置される再生可能エネルギー施設向けの電池としても強みがあることも分かってきていると述べた。

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE