日本株は4日続伸、FOMC後に米金利上昇、円安-銀行や不動産上げ

更新日時
  • ドットチャートは利上げ予測維持、為替は一時112円60銭台に
  • 年初来のパフォーマンス低迷業種がしっかり、出遅れ修正の動きも

21日の東京株式相場は5カ月ぶりに4日続伸。米国の連邦公開市場委員会(FOMC)が利上げ予測を維持し、米金利が上昇、為替はドル高・円安に振れ、企業業績の改善を見込む買いが入った。銀行や自動車、原油価格の上昇から鉱業株が高く、出遅れ業種の不動産株の上げも目立った。

  TOPIXの終値は前日比0.82ポイント(0.1%)高の1668.74、日経平均株価は37円02銭(0.2%)高の2万0347円48銭。両指数とも年初来高値を更新し、4日続伸は4月26日以来。

  アセットマネジメントOne株式運用グループの岩間恒シニアフェローは、「FRBは年内利上げをしないのではないかという市場の見方は修正された。FRBが緩やかに利上げすることに対し金融市場は確信を持ち、将来の見通しが明確になった」と言う。緩やかな円安、良好なファンダメンタルズから「日本株の基調は強い」とした半面、金利上昇を見込んだバリュー株へのリバランスも短期的にはかなり進み、「チャート上も窓を開けてきたことでいったん止まるところ」との見方も示した。

東証アローズ

Photographer: Tomohiro Ohsumi/Bloomberg

  FOMCは19ー20日に開いた会合後の声明で、4兆5000億ドル規模の保有証券の縮小を10月に開始する方針を決めた。ハリケーンの経済への悪影響は一時的なものになるとの見方を示し、年内あと1回、来年3回の利上げ予測を維持した。連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン議長は会見で、ことしの低インフレは一時的な要因との見解を示した。これを受け、金利先物市場が織り込む12月の米利上げ確率は53%から64%へ上昇した。

  声明の全体的なトーンが予想よりタカ派と受け止められ、20日の米国債は下落し、10年債利回りは2.27%と2ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇。きょうの為替相場でドル・円は一時1ドル=112円60銭台と、7月18日以来のドル高・円安水準を付けた。20日の日本株終値時点は111円44銭。

  野村証券投資情報部の若生寿一エクイティ・マーケット・ストラテジストは、「FOMCでは足元の米経済がしっかりしており、インフレ率が低いからといって金融正常化のパスを変えないということを示した」と指摘。米国が来年にかけドットプロット通りに利上げしていくなら、「米10年債利回りは2.5%、ドル・円は1ドル=115円銭を目指す動きが出てくる。ファンダメンタルズの改善を反映し、日経平均は年末に2万1000円の確度が高まってきている」との見方も示す。

  金利上昇観測や円安期待を背景に、業種別では銀行や不動産、輸送用機器などバリュー業種が上昇。中でも、不動産株の上げが目立った。アセットOneの岩間氏は、「もう少し金利が上昇局面となるなら、バリューが買われやすく、米国発でバリューに目が向いてきた。不動産株は下げ過ぎた反動が入った」とみていた。不動産は20日までの33業種の年初来騰落で、マイナス6.1%とワーストパフォーマー。

  もっとも、連騰の日本株はこの日も2年ぶりの高値を更新した反動もあり、午後にかけ失速。野村証の若生氏は、「日経平均がボリンジャーバンドの2シグマまで達するなど、チャートからは短期的な過熱感が出ている。一気に上値を追うというより足場固めの局面」と指摘した。

  一方、日本銀行はきょうの金融政策決定会合で、市場の予想通りに政策の現状維持を決定。片岡剛士審議委員が現在の緩和は物価目標の達成には不十分と反対したことなどで、午後に国内金利が超長期債中心に低下。過度の収益改善期待が後退した銀行や保険株は午後に伸び悩み、株価指数の上値抑制要因となった。

  東証1部33業種は鉱業や不動産、海運、銀行、輸送用機器、パルプ・紙、建設、陸運など19業種が上昇。鉄鋼やその他製品、非鉄金属、電機、小売、化学、食料品など14業種は下落。売買代金上位では、原油高が好感された国際石油開発帝石のほか、三井不動産や三菱地所が高い。半面、米アップルの「iPhone8」の予約状況が低調との見方から村田製作所、アルプス電気などアップル関連銘柄は安い。

  • 東証1部の売買高は19億7391万株、売買代金は2兆8208億円
  • 値上がり銘柄数は945、値下がりは974
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