コンテンツにスキップする

今後10年「投資リターン低下」覚悟を、経済好調でも-バンガード

更新日時
  • 17年の世界経済は驚くほど良好、それでも株・債券リターンは低下へ
  • バリュエーションの上昇と低空飛行を続ける金利などが足かせ

世界最大の投資信託運用会社バンガード・グループは、ことしこれまでの世界経済の強さに驚きを隠さないが、だからと言って投資見通しが一段と楽観的になるというわけでもないようだ。

  シニアストラテジストのネイサン・ザーム氏(香港在勤)は向こう10年は「投資リターンの低下」を覚悟するよう投資家に呼び掛ける。リターンは株式で年5-8%、債券で同2-3%にそれぞれ下がるとの同社の見通しをあらためて示した。日欧の景気回復も手伝って2017年の世界経済は予想以上に好調だが、慎重な見方は変わらないという。

  米S&P500種株価指数は年初から12%上昇し、13年以来の年間上昇率を記録する勢いだ。ブルームバーグがデータを取る先進24カ国・地域の株式市場で年初来マイナスとなっているのは2カ国のみ。株式投資家は米国の政治混乱や北朝鮮情勢の緊迫化を物ともせず、経済成長や企業業績を重視してきたが、バンガードは相場の勢いは鈍るとみる。
  
  

Lofty Valuations, Low Rates

  
  
  ザーム氏は最近のインタビューで、「ことしはサプライズ的に上振れただろう。一部の国に力強さはないにせよ、成長は相対的に安定しており、市場や金利は今もなお極めて好ましい環境だ」と指摘。その上で、「こうした情勢やこれまでの非常に力強い相場上昇を踏まえ、将来的なリターンはかなり低下するとわれわれは投資家に警告している」と付け加えた。

  金融危機後の高いリターンは長続きしないというのがバンガードの持論だ。その理由の一部にザーム氏は、バリュエーションと低く抑制された金利を挙げた。09年から昨年まで年平均12%上昇したS&P500種の株価収益率(PER、予想収益ベース)は19.2倍と、02年以来の高水準。また、人口高齢化や労働力のグローバル化、テクノロジーの進歩などがインフレ期待を抑える方向に働くとも同氏は説明した。

原題:Vanguard Warns of Decade of Muted Returns Despite Strong Growth(抜粋)

(データとチャートをアップデートしました.)
    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE