超長期債が上昇、日銀政策据え置きで買い安心感-再投資需要との見方

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  • 再投資の観点からプラス利回りの超長期債買われやすい-野村証
  • 「80兆円」めど、いよいよ文言を消せなくなった印象-SMBCフ証

債券市場では超長期相場が上昇。日本銀行が現行の金融緩和策の据え置きを決め、年80兆円増加をめどとする国債買い入れペースも変更がなかったことを受けて買い安心感が広がった。市場では国債償還資金の再投資需要が強まったとの指摘も聞かれた。

  21日の現物債市場で新発20年物の162回債利回りは、日本相互証券が公表した前日午後3時時点の参照値より1ベーシスポイント(bp)高い0.56%で取引を開始。その後は下げ渋る展開となっていたが、日銀会合の決定内容が伝わると0.545%まで低下した。新発30年物56回債利回りは一時1bp低い0.82%、新発40年物の10回債利回りは1bp低い1.025%までそれぞれ買われた。

  長期金利の指標となる新発10年物国債の348回債利回りは0.5bp高い0.03%で寄り付き、一時は0.035%まで上昇したが、午後は0.025%に戻した。

  野村証券の中島武信クオンツ・アナリストは、「日銀政策は変更があるとすれば、長期国債買い入れめどの『約80兆円』を取るかどうかだったが、据え置かれたことで単純に買いが入った」と指摘。「もともとの地合いとしては償還資金の再投資需要で9月後半は金利が低下する傾向にあり、その流れに戻る形になった。再投資の観点からはプラス利回りの超長期債が買われやすい」と言う。

  長期国債先物市場で中心限月12月物は前日比9銭安の150円72銭で取引を開始し、いったん150円69銭まで下落。午後には2銭高まで買われる場面もあったが、結局は1銭安の150円80銭で引けた。

日銀会合

  日銀はこの日の金融政策決定会合で、長短金利操作付き量的・質的金融緩和の枠組みによる金融調節方針の維持を8対1の賛成多数で決定した。片岡剛士審議委員は現在の緩和は「不十分」として反対した。

  金融調節方針は、誘導目標となる長期金利(10年物国債金利)を「0%程度」、短期金利(日銀当座預金の一部に適用する政策金利)を「マイナス0.1%」といずれも据え置いた。長期国債買い入れ(保有残高の年間増加額)のめどとなる「約80兆円」も維持した。

日銀会合の詳細はこちらをご覧下さい。

  SMBCフレンド証券の岩下真理チーフマーケットエコノミストは、「新審議員で初回から反対票はサプライズだが、片岡氏はリフレ派で1年前の総括検証でも追加緩和すべきと主張しており、持論を通したのだろう」と指摘。「日銀は国債買い入れペースを淡々と落としており、『80兆円』のめどはお飾りだが、こういったリフレ派の委員が加わったことでいよいよ文言を消せなくなった印象」と話した。  

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