金の密輸が急増、脱税額6億円と過去最高に-政府が対策呼び掛け

Bloomberg

金地金の密輸事件が急増している。2014年に消費税が8%に引き上げられたことをきっかけに、消費税がかからない海外で購入した金地金を国内で売却するケースが増えているためだ。

  経済産業省と警察庁、財務省は20日、地金業者などを対象に関連法についての説明会を合同で開催した。地金を買い取る際の本人確認を徹底するほか、疑わしい取引については関係機関に速やかに届け出るなど、犯罪収益移転防止法に定められている内容を改めて説明した。

  経産省・資源エネルギー庁の大東道郎・鉱物資源課長は冒頭、「金密輸等の犯罪による収益は反社会勢力の資金源になることも考えられる。政府としては水際の対策や流通段階での対策が非常に重要であると考えている」と指摘。「今回の説明会を機に業界関係者とさらにコミュニケーションを密にして対策に取り組んでいきたい」と呼び掛けた。

  同日配布された財務省の資料によると、密輸摘発件数は14年から急増。平成27事務年度(2015年7月-16年6月)の金地金の密輸摘発の処分件数は294件、脱税額は前事務年度と比べて約2.6倍の約6億1000万円と過去最高を記録した。

  金地金の売買は消費税込みで行われ、保有している地金を換金目的で売却する際にも消費税を上乗せした価格で買い取りされる。そのため、消費税のかからない海外で購入した金地金を、輸入申告せずに国内に持ち込んで売却すれば消費税分が利益となる計算。財務省の資料によると、密輸の仕出し地の割合で最大だったのは消費税が課されない香港で46%だった。

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