FOMC:危機対応ツール片付け開始、次の利上げ議論か-20日に声明

  • 最新のFOMC予測、年内追加利上げを支持する声が大半と示唆か
  • イエレン議長はインフレ率巡る議論に深入りしない可能性

A runner passes the Marriner S. Eccles Federal Reserve building in Washington, D.C., U.S.

Photographer: Andrew Harrer/Bloomberg

米連邦準備制度は年内にもう一度利上げするのか。これは20日に2日間の会合を終える連邦公開市場委員会(FOMC)に投資家が明確化を期待する大きな問題だ。

  FOMCは政策金利を据え置く一方、4兆5000億ドル(約500兆円)のバランスシートについては段階的縮小の開始日程を発表すると広く予想されている。金融危機の発生から10年の節目を迎える中、当局者は保有資産縮小について十分に方針を知らせてきたため、金融市場はこの日の発表を織り込み済みと受け止める可能性が高い。

  FOMCの声明と最新の経済・金利予測は米東部時間午後2時(日本時間21日午前3時)に公表される。その30分後にイエレン連邦準備制度理事会(FRB)議長は記者会見を行う。注目点は以下の通り。

  イエレン議長はトランプ大統領の長女イバンカ氏と7月に朝食を共にしたことが判明しているため、自身の将来について再び質問を受けると想定できそうだ。フィッシャーFRB副議長は10月半ばで退任する意向を表明しており、FOMC出席は今回で最後となることから、米金融当局指導部を巡る臆測は一段と高まっている。トランプ大統領は先週、イエレン議長を好ましく思い尊敬しているものの、次期FRB議長指名について結論は出していないと述べている。イエレン議長は来年2月に任期切れとなる予定で、これまでこうした質問を再三かわしてきており、今回もそうする公算が大きい。

  一方でイエレン議長は、失業率やインフレの見通し、それに伴う利上げペースへの影響に関する質問にはより前向きに臨むとみられる。ブルームバーグが9月12ー14日にエコノミスト42人を対象に実施した調査によれば、最新のFOMC予測では恐らく6月時点の予測と同様、年内あと1回の利上げを引き続き支持する当局者の方が多いことが示されそうだ。

  消費者物価の弱いデータが続いて年内追加利上げ観測はいったん後退していたものの、8月に物価の安定化を示すデータが発表されたのを受けて市場の見方は変化している。金利先物の動きを見ると、年内の利上げ確率は五分五分程度に戻っている。

  イエレン議長は記者会見で、低失業率にもかかわらずインフレ率が伸び悩んでいる理由を巡る議論に深入りを避ける公算が大きい。元ニューヨーク連銀エコノミストで現在はiCIMSのチーフエコノミストを務めるジョッシュ・ライト氏は、物価圧力の予想の枠組みを当局が放棄するのは時期尚早なためだと述べた。

  JPモルガン・チェースの米国担当チーフエコノミスト、マイケル・フェロリ氏によれば、FOMC声明は8月にテキサス州を直撃したハリケーン「ハービー」による経済的影響も認める可能性がある。

  予想されるバランスシート縮小を巡り「特筆すべきなのは市場がいかに気にしていないかという点だ」と、TDセキュリティーズの金利ストラテジストのジェナディー・ゴールドバーグ氏は語る。それでも、縮小の動きは金融政策の引き締めと受け止められる可能性もあり、当局者は来年の利上げについて、6月の予測で示された計3回よりもゆっくりと進めることになるかもしれない。

  バンク・オブ・ザ・ウエストのチーフエコノミスト、スコット・アンダーソン氏は「バランスシートを縮小するのと並行しながら3回利上げするのは重労働かもしれない」と述べ、最新の金利予測で2018年の利上げ予想中央値が2回に減ると見込んでいる。

原題:Fed to Pack Up Crisis Tool, Debate Next Hike: Decision-Day Guide(抜粋)

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