日本株2年ぶり高値、円安と衆院解散・政策期待-1部時価総額は最高

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  • 米利上げ観測が50%超へ上昇、ドル・円は1ドル=111円80銭台
  • 今月の臨時国会冒頭を含め解散観測、海外投資家の買い誘う

19日の東京株式相場は続伸し、主要株価指数は2年ぶりの高値を更新。米国の金利上昇や為替のドル高・円安が好感されたほか、早期の衆院解散見通しで安倍政権の基盤強化、経済政策重視への期待も広がった。金融、輸出セクター中心に東証1部33業種は全て高い。

  TOPIXの終値は前営業日比28.94ポイント(1.8%)高の1667.88、日経平均株価は389円88銭(2%)高の2万0299円38銭。両指数とも上昇率は5月8日以来の大きさで、2015年8月18日以来の高値水準。東証1部の時価総額は613兆7407億円と、ブルームバーグ・データで遡及可能な1989年以降で最高となった。

  三菱UFJ国際投信の向吉善秀シニアエコノミストは、「8月以降に過度なリスクオフで資金は安全資産に流れていたが、米国経済や国内企業収益のファンダメンタルズはむしろ予想以上に堅調。今期想定レートを超えて円高に進む懸念は後退している」と指摘。さらに、解散総選挙となれば、「支持率が持ち直した安倍政権から新たな政策が出て、アベノミクスが強化されるとの期待や安心感が海外投資家中心に高まる」とし、日本株は年内戻りを試すとの見方も示した。

官邸に入る安倍首相

Photographer: Akio Kon/Bloomberg

  米連邦公開市場委員会(FOMC)の開催を今週に控える中、市場が織り込む12月の米利上げ確率は50%超へと上昇。18日の米10年債利回りは2.23%と3ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇、ここ1カ月余りで最高水準となった。

  安倍晋三首相が早期に衆院を解散するとの観測が広がったことも円の重しとなり、きょうの為替市場ではドル・円が1ドル=111円80銭台と7月26日以来のドル高・円安水準に振れた。15日の日本株終値時点は110円43銭。

  SMBCフレンド証券投資情報部の松野利彦チーフストラテジストは、「米経済指標は全て好転しているわけではないものの、ミシガン大学消費者マインド指数が市場予想を上回るなど悪くはない」と言う。北朝鮮リスクや米債務上限問題などをきっかけとしたリスクオフが落ち着く中、「米国の年内利上げ観測が高まってきた」とも話している。

  さらに国内では、安倍首相が今月下旬召集の臨時国会冒頭を含めた早期の衆院解散に踏み切るとの見方が浮上、先物主導で上げ幅が拡大する要因になった。JPモルガン・アセット・マネジメントの重見吉徳グローバル・マーケット・ストラテジストは、「安倍首相の成果はどうであれ、引き続き政権を担うことが安心材料につながる。過去の選挙でも、与党が勝ちそうだとの見方が広がると買いの動きが出やすい」との認識を示した。

  3連休明けの相場で上昇が目立ったのは大型株。米金利上昇で銀行や保険など金融株、円安から輸送用機器など輸出株が高くなり、東証1部で時価総額や流動性が最も高い30銘柄で構成するTOPIXコア30指数は2.1%高と大幅高。対照的にスモール指数は1.2%高と、規模が小さくなるほど上昇率は小さかった。日本株に対する売り越しが目立っていた海外投資家が足元で急速に買い越しに転じる中、「大型株は小型株に比べ特に出遅れていた分、買い戻しで取り戻している」と、三菱U国際の向吉氏は話した。

  東証1部33業種はその他製品、銀行、保険、海運、その他金融、輸送用機器、証券・商品先物取引、石油・石炭製品、非鉄金属などが上昇率上位。売買代金上位では、クレディ・スイス証券が投資判断を上げた任天堂が高く、三菱UFJフィナンシャルグループや第一生命ホールディングスなど金融株は軒並み上昇した。

  • 東証1部の売買高は20億4459万株、売買代金は3兆1059億円、代金の3兆円超えは6月16日以来
  • 値上がり銘柄数は1679、値下がりは279
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