安倍晋三首相が今月下旬召集の臨時国会冒頭を含めた早期の衆院解散に踏み切るとの見方が17日、政界で広がった。

  自民党の萩生田光一幹事長代行は17日午前、衆院解散について「総理の専権事項なのでいつ、そういう事態になってもそれは受け止めなければいけない」と発言。衆院議員の任期は残り約1年3カ月であることを挙げ、「内政、外交を考えた時にベストの時期はいつなのか、これは総理がご判断するんだと思う」と述べた。

安倍晋三首相
安倍晋三首相
Photographer: Akio Kon/Bloomberg

  これに対し、民進党の江田憲司前代表代行は臨時国会冒頭解散は想定していたものの、核実験や弾道ミサイル発射など北朝鮮が挑発行動をエスカレートする中で「大義はない。解散で政治空白を作るのは許せない」とけん制。東京都の小池百合子知事の側近で新党結成を検討している若狭勝衆院議員は10月22日ごろの衆院選を想定して「準備は着々と進めてきている」と語った。萩生田、江田、若狭の各氏はフジテレビの番組で語った。

  産経新聞は17日付朝刊で、安倍首相は28日の臨時国会召集から数日以内に衆院を解散する方針を固めたと報じた。10月17日公示-10月29日投開票が有力だが、10月10日公示-10月22日投開票となる可能性もあるという。NHKは政府・与党関係者の情報として、先の公明党の山口那津男代表との会談で臨時国会会期中の解散を排除しない考えを伝えたと報じた。山口代表のほか、自民党の二階俊博幹事長らの意見も聞きながら最終的な判断を固める方針だという。

内閣支持率

  自民党内には慎重論もある。ある幹部は、選挙の結果、与党で3分の2の勢力を維持できなければ憲法改正論議は後退するとして、解散はばくちみたいなものと語った。

  政治評論家の有馬晴海氏は、安倍首相が28日に予定されている国会召集日に解散に踏み切ると予想し、衆院選で「与党で3分の2の勢力を失っても、過半数を取ってしのげれば、安倍首相が来年の自民党総裁選で再選する道も開ける」と分析する。北朝鮮情勢は「秋以降の方がより激化する可能性もある」とし、内閣支持率が回復傾向にあることも考えると「解散するのは今しかない」との見方を示した。

  衆院では10月22日に青森4区、新潟5区、愛媛3区での補欠選挙が予定されているが、仮に解散に踏み切れば補選はなくなる。読売新聞が9月8日から10日にかけて行った世論調査では、安倍内閣の支持率は50%と前回8月調査の42%から8ポイント上昇した。

  公明党の山口代表は18日にロシア訪問から帰国する。山口氏はロシアで記者団に対し、解散は首相の専権事項と指摘した上で、衆院議員の任期満了が1年余りに迫っていることを考えると、常在戦場の心構えで臨んでいくべきだと述べたとNHKが報じた。衆院の早期解散論が浮上する中、民進、社民、自由の野党3党は17日に予定していた党首会談を中止した。

最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE