【債券週間展望】長期金利は上昇か、米金融政策の正常化の動き見極め

  • FOMCで利上げポジティブなら金利上昇圧力に-メリル日本証
  • 黒田サプライズなさそう、9月期末で特に動く要因はない-岡三証

9月第3週(19日-22日)の債券市場では、長期金利が上昇する展開が見込まれている。米連邦公開市場委員会(FOMC)で金融政策の正常化に向けて踏み込んだ内容になれば、米金利の上昇に連れて国内債市場でも売り圧力が掛かる可能性があるとみられている。

  長期金利の指標となる新発10年物国債利回りは今週、9日の北朝鮮建国記念日を無事に通過したことなどでリスク回避に伴うポジションの巻き戻しが進んだ。14日には一時0.04%と、新発債として8月23日以来の水準まで上昇した。その後は15日に北朝鮮がミサイル発射に踏み切ったこで0.02%まで買い戻された。

  メリルリンチ日本証券の大崎秀一チーフ金利ストラテジストは、「米国の金利水準を見ると、利上げの織り込みがあまりに低い感があり、FOMCで利上げにポジティブな話になると、海外金利の上昇圧力になり得る。そうすると日本の金利も多少は上振れる可能性がある」と指摘。ただ、「日本の金利上昇は日銀にコントロールされている上、北朝鮮情勢が緊迫化する可能性も残るため、大幅な金利上昇は見込みにくい」と話した。

  米国では19、20日にFOMCが開かれる。終了後には経済予測が公表され、イエレン連邦準備制度理事会(FRB)議長が会見する。一方、日本銀行は20、21日の日程で金融政策決定会合を開き、会合後には黒田東彦総裁の会見が予定されている。

国内外の週間予定はこちらをご覧下さい。

日銀オペ

  日銀が発表した9月の国債買い入れの運営方針によると、19日に残存期間5年超10年以下を対象にしたオペが予定されている。

  一方、財務省は20日に投資家需要の強い既発国債を追加発行する流動性供給入札を実施する。対象は残存期間1年超5年以下の銘柄で、発行予定額は3000億円程度。22日は残存5年超15.5年以下の銘柄を対象にした流動性供給入札が予定されており、発行予定額は5500億円程度となる。

過去の流動性供給入札の結果はこちらをご覧下さい。

市場関係者の見方

*T
◎岡三証券の鈴木誠債券シニアストラテジスト

  • FOMC、政策金利見通しは米CPI上昇を受けて年内1回の利上げ予想に変わりないだろうが、ハト派で後ずれする人がどれくらいいるか
  • 日銀会合は黒田サプライズもなさそう、9月期末で特に動く要因はないだろう
  • 長期金利の予想レンジはゼロ%~0.05%

  
◎JPモルガン・アセット・マネジメントの塚谷厳治債券運用部長

  • 日銀決定会合は緩和策据え置きの見込み、物価が上がってこない限りこの政策を継続せざるを得ない
  • FOMCはバランスシート縮小の決定があるか、景気認識から12月利上げへのヒントが出るかが注目点
  • 長期金利の予想レンジはマイナス0.01~プラス0.06%

   
◎メリルリンチ日本証券の大崎秀一チーフ金利ストラテジスト

  • 10年債は利回りがプラスの間はキャッシュつぶしで買われる可能性ある
  • 北朝鮮絡みでボラティティーが上がるようだと、プラス利回りでなるべくデュレーションが短いところが選好されやすい
  • 長期金利の予想レンジはゼロ%~0.06%

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