ヘッジファンドがブロックチェーン侵入、投資に先立ち仮想通貨を吟味

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Photographer: Chris Ratcliffe / Bloomberg

サンフランシスコを本拠とするヘッジファンド、メタステーブル・キャピタルのルーカス・ライアン氏は、仮想通貨「Monero(モネロ)」が約束通り機能するかを見極めるため、その基盤となるコンピューターコードに深く潜入した。プログラミング言語の「C++」で書かれた中核部分を「Python(パイソン)」で書き直すことさえ行った。

  こうした特別な努力がメタステーブルに利益をもたらした。投資に先立ちモネロを厳しく吟味する時間を取ったことで、メタステーブルは100倍のリターンを目にした。同社を3年前にライアン氏と創業したジョシュア・セームズ氏が明らかにした。メタステーブルはユニオン・スクエア・ベンチャーズやセコイアといったベンチャーキャピタル(VC)企業の支援を受けている。

  テクノロジー分野の新興企業が頑強なソフトウエアだと宣伝するものに侵入し理解しようとしているのは、メタステーブルだけではない。「イニシャル・コイン・オファリング(ICO)」の普及で今年に入って約20億ドル(約2200億円)が調達され、デジタル・トークンの数が1100超に増えた状況の下、こうした行動は特に重要になっている。

  仮想通貨ヘッジファンド、ポリチェーン・キャピタルのオラフ・カルソンウィー最高経営責任者(CEO)は電話インタビューで、「この技術を深く理解しないと、何を買えばいいのかよく分からない」と述べ、「多くのプロジェクトが今、動き出している。大部分はほとんど意味を成しておらず、大多数は失敗するだろう」と付け加えた。

  ICOの急増は詐欺の増大につながっており、米規制当局は投資家に警戒するよう呼び掛けている。セームズ氏はインタビューで、「多くのファンドが技術的精査のために行うのは、ホワイトペーパー(事業計画書)を読むことだろう。だが、われわれの経験では、ホワイトペーパーで素晴らしいことを言うのは非常に簡単だが、機能するコードを生み出すことは難しい」と述べた。

  オートノマス・リサーチによれば、デジタル通貨に特化した仮想通貨ヘッジファンドは現在68本以上ある。これまでに約8億ドルを集めたが、さらに12億ドルの調達を目指しているという。これらのファンドの多くは仮想通貨の激しい価格変動やさや取りのしやすさに引き付けられたデイトレーダーが設立したものだが、こうした収益機会は素早く閉ざされる可能性が高い。

  8月に初のファンドを立ち上げたマルチコイン・キャピタルのマネジングパートナー、カイル・サマニ氏は電話インタビューで、「今の仮想通貨市場は非常に不合理だ。非効率な面が大変多い。ウォール街から大勢の人が参入しており、片っ端から稼いでいる。こうした人々が十分に市場に参加した時点で、非効率性はゼロになろう」と述べた。

原題:Hedge Funds Are Hacking Blockchains to Guide Crypto Investments(抜粋)

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