金業界45年の専門家が実践、5%の配分維持-国内機関投資家も動く

  • 他資産との相関関係低く分散投資の効果ある-ミリングスタンレー氏
  • 機関投資家や富裕層、戦略的観点からポートフォリオに組み込む

A five hundred gram gold bar

Bloomberg

米大手資産運用会社ステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズの金戦略責任者を務めるジョージ・ミリングスタンレー氏。金価格が1オンス当たりわずか42ドルだった1972年に金貨を購入したのが初めての金への投資だった。以来45年にわたり金業界に携わってきた同氏が実践するのは資産の最低5%を金に振り向けることだ。

  「今後数カ月の金価格の動向を予測するのではなく、まずポートフォリオに小さな割合でもいいので金を配分する。その比率を維持できるよう構成を見直していくことで、リスク調整後のリターンで見た時に優れたパフォーマンスを上げることが可能になっていると気付くはずだ」。

  11日、都内でのインタビューで述べた。「典型的なポートフォリオに含まれる他の資産との相関関係が低く、分散投資としての効果が得られる」。自身の実績を振り返っても「良いパフォーマンスを上げることができた」と説明する。

  金のスポット価格は8日、1オンス当たり1357ドルまで上昇した。北朝鮮によるミサイル発射など地政学的リスクの高まりを受けて年初来高値を更新したが、「金は安全資産としての意味合いだけでなく、機関投資家や個人の富裕層が戦略的な観点からポートフォリオに含める動きが増えてきている」と指摘する。

  ステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズは、世界最大の金連動型上場投資信託(ETF)である「SPDRゴールド・シェアーズ」の販売促進を担う。

  日本の機関投資家による金ETFへの投資動向について、ETF営業部の杉原正記部長は「昨年は顧客の関心が高まっているのを感じたが、今年は実際に投資という動きになって表れている」と話す。「金価格の上昇を見込んで投資するのではなく、戦略的な資産配分の観点から一定程度を金に割り当てる動きが特徴的」という。

  ブルームバーグ・データによると、日本の機関投資家がSPDRゴールド・シェアーズを通じて保有する金の残高は6月末時点で13トンと1年前の7.4トンから2倍弱に増加した。

  ミリングスタンレー氏自身は金ETFを通じて資産の5%を金に配分する比率を維持するため、3カ月ごとに資産構成を見直している。金の価格動向によって最大20%まで比率を引き上げる戦略。現在、すでに5%分を積み増し、比率を10%に高めた。今後、金価格が1350ドルを持続的に上回ればさらに5%積み増し、1400ドルの水準を維持できればさらに5%増やす計画としている。

  キャリアの初期は米リーマン・ブラザーズで貴金属トレーディングに従事し、産金業界団体ワールド・ゴールド・カウンシル(WGC)で15年間勤務するなど一貫して金業界に携わってきた同氏。45年の間に金価格は一時50倍弱にまで上昇するなど「いろいろとサプライズは多かったが、退屈になることは一度もなかった」と金の魅力を語った。

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