【日本株週間展望】軟調、米利上げ観測後退なら円高も-景気堅調支え

  • 19-20日にFOMC開催、焦点は利上げペース巡る声明・発言
  • 日本株チャートに売り格言の「三空」、海外勢売り継続も重しか

9月3週(19ー22日)の日本株は米国の金融政策をにらみつつ、軟調な展開となりそうだ。米国の利上げ観測が後退すれば、米金利・為替動向に影響を及ぼす可能性が高く、企業業績の先行き不透明から金融や輸出、素材株中心にさえない値動きを強いられる。

  米国では19ー20日に連邦公開市場委員会(FOMC)が開かれる。市場はバランスシートの再投資減額を決定すると予想、注目は今後の利上げペースに関する示唆だ。ハリケーン「イルマ」の被害額は事前の懸念ほど膨らまない見通しだが、「ハービー」と合わせ今後の米景気指標に与える影響は現時点で判断しにくい。FOMCを受け、金利先物が示す米12月利上げの予想確率が現状の40%台から低下すれば、米金利低下とドル安・円高につながり、日本株のマイナス要因になる。

株価ボード前の風景

Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

  米政治リスクの後退などから、TOPIXは14日の取引時間中に2年ぶりの高値を更新したが、終値では急速に伸び悩んだ。チャート分析上も3日連続で窓を開け、相場格言にある「三空は売り」の状況となり、短期過熱感が意識されている。北朝鮮リスクが長期化の様相を呈する中、需給面では海外投資家が週間で約5カ月ぶりの売越額を記録、積極的な買い主体を欠く状況だ。

  もっとも、堅調なファンダメンタルズは下値を支える見込み。米国では20日に8月の中古住宅販売、21日に9月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、欧州では19日に9月の独ZEW景況感指数が発表される。エコノミスト予想は、米中古住宅が前月比0.6%増(前の月は1.3%減)へ改善、フィラデルフィア連銀指数が17.0(同18.9)に低下、独ZEWの期待指数は13.5(同10)への改善となっている。国内では日本銀行が20ー21日に金融政策決定会合を開き、政策判断は維持される見通しだ。第2週の日経平均株価は週間で3.3%高の1万9909円50銭と大幅反発した。

  • ≪市場関係者の見方≫

アセットマネジメントOne運用本部調査グループの中野貴比呂ストラテジスト
  「FOMCまでは様子見ムードが強く、FOMC後はもみ合いだろう。債務上限問題の先送りなどを歓迎し、政治面の楽観から米国株は過熱している。ハリケーンにより12月に向けた景気指標がかく乱されやすく、緩やかなインフレ傾向もあり、FOMCでは利上げペースが下方修正されそうだ。12月に利上げがない見通しとなれば、緩和的な金融環境が続き米国株には良いが、既に楽観過ぎる状態にあり、大きく上値を追う状況ではない。北朝鮮リスクも残ったままの日本株にはむしろ米金利低下、円高の影響の方が重しになる」

三井住友アセットマネジメントの金本直樹シニアファンドマネージャー
  「TOPIXは高値を更新し、日経平均は2万円を回復する可能性がある。8月以降の株価の崩れは地政学リスクの高まりや米政治リスク、ハリケーンの影響などが意識されたが、8月の米消費者物価指数(CPI)が良好など経済環境は悪くなっていない。北朝鮮の15日のミサイル発射も国連決議に対する意思表示で、米国は外交手段の中で粛々と制裁を行おうとしており、市場への影響も限定的だ。株式市場にとってネガティブな材料は徐々に見当たらなくなっており、FOMCもコンセンサス通りで、市場に織り込まれていないものは出てこないだろう」

りそな銀行アセットマネジメント部の下出衛チーフストラテジスト
  「連邦準備制度理事会(FRB)のバランスシート縮小は間違いなく金融政策の転換点で、長期投資家の立場からはスルーできない。FOMC後はリスクを落とす動きが広がるとみている。FOMCは18年、19年の金利予測がどれだけ下方修正されるかが焦点だ。18年は1回利上げができるかどうかという市場コンセンサスに対し、FOMCメンバーはタカ派的な姿勢を続け、金融市場にとってショックとなる可能性がある。日本株にとって一番大事なのは米国株の動向で、下げる可能性が高い。日経平均の想定レンジは1万9300ー2万円」

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