東京外国為替市場のドル・円相場は一時1ドル=110円台後半まで上昇し、約1カ月ぶりの高値を更新した。米国の消費者物価指数(CPI)上昇や税制改革進展への期待感を背景にドル買い・円売りが先行。その後は、北朝鮮が核兵器を使用して日本列島を沈めるとの声明を受けて伸び悩んだ。

  14日午後3時46分現在のドル・円は前日比ほぼ横ばいの110円45銭。午前に一時110円73銭まで上昇し、前日に付けた8月16日以来の高値110円69銭を上回った。午後は110円台前半でもみ合う展開。

  クレディ・アグリコル銀行の斎藤裕司外国為替部長は、「昨日からドルを買う強い流れが続いていて仲値にかけて上昇した。米CPIの強弱を見て、ドルの上値を試す可能性はある」と説明。もっとも、「中国の経済指標が今一つだったことと、北朝鮮の『日本を核で沈める』というのが2つ重なった。110円70銭台の重さも嫌気されて、ポジジョン調整から朝の水準に戻っている」と述べた。

  米国でこの日発表される8月の消費者物価指数(CPI)は、前月比0.3%上昇が見込まれている。7月は同0.1%上昇だった。ステート・ストリート銀行の若林徳広在日代表兼東京支店長は、「米CPIが予想を上回る数字になると期待されている。インフレ上昇が見込まれていることが市場の期待をサポートし、ドル買いの動きが続いている」と説明。「インフレ指標がしっかりすれば米利上げ方向を続けられる」と語った。

  朝鮮中央通信(KCNA)は14日、「日本列島は核爆弾により海に沈められなければならない。日本はもはやわが国の近くに存在する必要はない」とする北朝鮮の朝鮮アジア太平洋平和委員会による報道官声明を伝えた。  

  前日の米国市場で、主要株価指数は過去最高値を更新。10年債利回りは2ベーシスポイント(bp)上げて2.19%程度で引けた。

  クレディ・アグリコル銀の斎藤氏は、「25日の週に米税制改革の素案が出るようなので、その中身を見てみないといけない。ハリケーン被害もあり予算を早く出さなくてはいけない。財源確保のために税制改革を始めるのは待ったなしだと思う」と解説した。

米国の税制改革に関する記事はこちらをご覧下さい。

  ポンド・ドル相場は同時刻現在、ほぼ横ばいの1ポンド=1.3211ドル。前日には一時1.3329ドルと昨年9月13日以来のポンド高・ドル安水準を付けた。イングランド銀行はこの日、金融政策を発表する。市場では現状維持を見込んでおり、投票内訳(8月は2人が利上げ支持)や議事要旨に注目している。

円とドル
円とドル
Photographer: Tomohiro Ohsumi/Bloomberg

  ステート・ストリート銀の若林氏は、ポンド・ドルについて、「イングランド銀行はタカ派の中銀。今回は利上げはないものの、声明文がタカ派になると思う。ポンドは強気の人が増えている」と述べた。

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