北朝鮮がミサイル発射、日本上空通過し太平洋に落下-政府

更新日時
  • 「暴挙を断じて容認できない」と安倍首相-国連総会で演説へ
  • 飛行距離約3700キロ、「次はグアムだ」と脅かすのが狙いと専門家

This image made from video of a news bulletin aired by North Korea's KRT on Tuesday, July 4, 2017.

KRT via AP Video

北朝鮮は15日午前6時57分ごろ、西岸付近から1発の弾道ミサイルを東北東方向に発射した。日本上空を通過し、北海道・襟裳岬の東約2200キロの太平洋上に落下したと推定される。飛行距離は約3700キロ、最高高度は約800キロ。政府は国家安全保障会議(NSC)の会合で、北朝鮮に断固たる対応を取る方針を確認した。

  菅義偉官房長官が同日の記者会見で発表した。菅氏は8月29日に続く日本上空を通過するミサイル発射は「地域の緊張を一方的、さらに高める深刻な挑発行為」と批判した。安倍晋三首相はミサイル発射について「暴挙を行ったことは断じて容認できない」と非難。「北朝鮮がこの道をさらに進めば明るい未来はない。そのことを北朝鮮に理解させなければならない」とも述べた。官邸で記者団に語った。

安倍晋三首相(9月15日)

Photographer: AFP via Getty Images

  今回のミサイル発射で日本領域への落下物は確認されておらず、航空機や船舶の被害情報はないという。自衛隊による破壊措置の実施もなかった。韓国軍は北朝鮮のミサイル発射とほぼ同時に軍事演習を実施、日本海に向けて弾道ミサイル1発を発射したと発表。文在寅大統領は韓国と同盟国を挑発すれば北朝鮮を粉砕し、「回復不可能」にする力があるとの声明を公表した。

  河野太郎外相は米国のティラーソン国務長官と電話会談し、国際社会で連携して圧力をかける必要があるとの認識で一致した。国連安全保障理事会は日本時間16日午前に会合を開く。安倍首相は18日から22日にかけて訪米し、国連総会の一般討論演説などで北朝鮮への圧力強化を訴える方針。

  北朝鮮のミサイル発射の報道を受けて、15日のドル・円相場は一時109円56銭と3日ぶりの水準までドル安・円高が進んだ。午後4時現在は1ドル=110円70銭前後を推移している。日本株は下落して始まったがその後プラスに転じ、TOPIXの終値は前日比6.81ポイント(0.4%)高の1638.94、日経平均株価は102円06銭(0.5%)高の1万9909円50銭。

飛行距離

  約3700キロという飛行距離は8月に北海道上空を通過したミサイルより約1000キロ長い。米太平洋軍はミサイルの種類は中距離弾道ミサイル(IRBM)とみている。

北ミサイルの射程

Bloomberg
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  元海将の伊藤俊幸・金沢工業大学虎ノ門大学院教授は、発射されたのは8月と同じ中距離弾道ミサイル「火星12」だった可能性を指摘。平壌から米領グアムまでの距離が約3400キロであることから、北朝鮮の狙いについて「そのまま東に想定して打っている。次はグアムだ、と脅かすという方向。これでグアムへの第一歩、序章だと言うのではないか」と分析した。

  北朝鮮は7月4、28両日に日本のEEZ内に落下したミサイルについて、いずれも大陸間弾道ミサイル(ICBM)の発射に成功したと発表。9月3日には6回目の核実験を実施した。  

  国連安保理は11日、石油精製品の輸入を年間200万バレルに制限することなどを柱とする北朝鮮制裁強化決議を採択した。北朝鮮の外務省は13日、決議採択を「最も強い表現で非難し、全面的に排除する」と批判する声明を国営の朝鮮中央通信を通じて発表。14日の同通信は「日本列島は核爆弾により海に沈められなければならない」とする北朝鮮の朝鮮アジア太平洋平和委員会による報道官声明を伝えた。

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