日本郵政株の売り出しで、大和証券グループ本社など引受証券会社が受け取る手数料が90億円超になることが分かった。2013年の日本たばこ産業(JT)の売り出し時より手数料率は高くなる公算。複数の関係者への取材で明らかになった。

  日本郵政と財務省は1兆3000億円規模の売り出しを計画している。関係者によれば、野村ホールディングス、大和証G、ゴールドマン・サックスのグローバルコーディネーターを含む引受証券全61社に約93億円が支払われる見込み。

  世界の株式市場が北朝鮮情勢などで大きく変動する中、財務省と日本郵政は2000年以降最大となる公募案件を決議した。引受主幹事らは12日よりテレビ広告キャンペーンを展開、のどかな田園風景を映し出し、日本郵政の売り出しをアピールしている。14日からは、東京、名古屋、仙台、大阪、熊本で個人投資家向けにマーケティングを実施する予定だ。

  手数料は個人投資家への販売では0.76%、国内外の機関投資家分は0.56%が販売額に応じて支払われる見通しだ。関係者らは情報が非開示であることを理由に匿名で語った。財務省とグローバルコーディネーターは手数料の詳細などについて言及を控えている。

個人、地方に照準

  ブルームバーグの試算によれば、今回の日本郵政株売り出しの個人と国内外の機関投資家を合わせた全体の手数料率は約0.7%。4年前のJT株の自己株取得分を含めた1兆円規模の売却では約0.5%だった。

  複数の関係者によれば、手数料率の決定にあたってはJTの第4次売り出しを参考にした。日本郵政の手数料率が高い理由は、個人投資家に全体の76%を割り当てることから販売に当り手間がかかるのと、地方の投資家を重視して活動することからコストがかかるためだという。

  TV広告ではのどかな田園風景が映し出され、縁側でだんらんする家族やバス停で談笑する婦人たち、また農作業をする人が、日本郵政株が「売り出される」と口々に話題にする。そして白ヤギと散歩する少女が、「このごろみんな言うんです。私も気にした方がいいでしょうか」と語りかける。

アロケーション

  今回の売り出しでは、大和証券と野村証券はそれぞれ3500億円超、ゴールドマンが海外を中心に1400億円超を引き受ける。ブルームバーグが12日報じた。

  関係者によれば、主幹事である三菱UFJモルガン・スタンレー証券、みずほ証券の引き受けシェアはそれぞれ8%になる見通しで、SMBC日興証券には7%程度が割り当てられるという。バンク・オブ・アメリカ傘下のメリルリンチ日本証券も海外で一部を引き受ける予定。

  野村など引受証券会社は、日本郵政の大型ディールをてこに、全国各地で新規顧客を獲得したい考えだ。

英語記事:Banker Fees on Japan Post Deal Are Said to Top Tobacco Sale (1)

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