東京外国為替市場ではドル・円相場が下落。北朝鮮を巡る懸念がやや和らいだことやハリケーン「イルマ」の被害が比較的軽微にとどまるとの見方を背景としたリスク回避の巻き戻しが一服。年度半期末を前にした需給的な円買いが重しとなった。

  ドル・円は13日午後3時15分現在、前日比0.1%安の1ドル=110円02銭。朝方はリスク回避の巻き戻しの流れが続き、一時110円29銭と1日以来の高値を付けた。ただ、その後は9月末を控えた売りが意識される中で上値が重くなり、109円98銭まで水準を切り下げる場面も見られた。

  三井住友信託銀行マーケット金融ビジネスユニット西日本営業推進チームの西田朋広チーム長は、ドル・円について、北朝鮮リスクやハリケーンリスクを受けたリスク回避の巻き戻しで、「まだリスクオンという訳ではない」と指摘。「ドル・円は110円台を回復したが、年度半期末が近づいており、国内実需勢としては北朝鮮リスクが残る中では、円買いを手当てしておきたい面はありそう」と語った。

  また、ソニーフィナンシャルホールディングスの石川久美子為替アナリストは、北朝鮮情勢について、「完全に脅威が払しょくされた訳ではない。北朝鮮から反発の声が出ており、今後も核開発を続けるとのメッセージが出ている。安心できる状況ではない」と指摘。リスク要因は和らいでいるが、完全に払しょくされておらず、「111円を抜けるのは簡単ではないだろう」と述べた。

  米国では、14日に8月の消費者物価指数、15日には8月の米小売売上高、鉱工業生産指数、9月のミシガン大学消費者マインド指数などの経済指標が発表される。

  三井住友信託の西田氏は、ドル・円相場が「リスク回避の巻き戻しからリスクオンに転換するには、米消費者物価指数や米小売売上高といった経済指標の後押しが必要」と指摘。特に米消費者物価指数が市場予想を上回る結果となれば、「低下している12月の米利上げ期待の回復から111円回復という可能性もあるかもしれない」と述べた。

  ポンドは対ドルで一時0.2%高の1ポンド=1.3315ドルと1年ぶりに1.33ドル台を回復。前日に発表された8月の英インフレが予想を上回る加速を示したことを受けて、年内の利上げ期待が高まっている。ソニーFHの石川氏は「14日の英中銀金融政策委員会で利上げを見込んでいる人はほとんどいないが、市場は今後の利上げに対するメッセージを気にし出した」と述べた。

  ユーロ・円相場は同時刻現在、ほぼ横ばいの1ユーロ=131円87銭。午前に一時132円01銭と昨年2月1日以来の132円台に乗せた後は伸び悩んだ。

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