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中国を悲観していたヘッジファンドの今-それぞれの2年後

  • クレスキャットのスミス氏は弱気な見方を堅持している
  • コリエンテ・アドバイザーズのハート氏は強気に転じた

人民元切り下げや信用危機、そして経済のハードランディング。

  中国の株式相場と人民元が2015年に急落した後、ヘッジファンド業界の大物たちはこうした事態を予想した。それから2年。中国悲観派が予測したような状況にはなっていない。人民元は昨年12月に記録した対ドルでの8年ぶり安値から7%近く上げ、切り下げ見通しは後退。信用市場も安定し、中国株は強気相場に戻った。

What Crash?

  クレスキャット・キャピタルのケビン・スミス氏ら数人は引き続き相場急落を予想している。だが全体的には15年に起きた市場の混乱時と比べ悲観的な見方は減った。コリエンテ・アドバイザーズのマーク・ハート氏のように強気に転じた向きもある。

カイル・バス氏

  ヘイマン・キャピタル・マネジメントの創業者バス氏は中国弱気派として知られ、16年6月には中国が「世界の歴史で最大のマクロ不均衡」に陥っていると述べていた。米国のサブプライム(信用力の低い個人向け)住宅ローン危機を見越した取引で名をはせた同氏は、人民元が30%余り値下がりすると予想していた。  

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カイル・バス氏

フォトグラファー:Patrick T. Fallon / Bloomberg

  バス氏はこの記事についてコメントを控えたが、最近の発言は中国に対する見方を変えていないことを示唆している。同氏は今年6月、中国の信用問題が「転移」しつつあり、人民元を引き続きショート(売り持ち)としているとロイター通信に語った。

マーク・ハート氏

  米サブプライムローン問題ではバス氏と同じ見方をしていたハート氏は、中国が人民元を50%余り切り下げなければならなくなると16年1月まで述べていた。だが最近のインタビューで、人民元には上昇余地があると指摘し、中国を強気に見ていることを示した。特定の投資についてのコメントは控えた上で、人民元の取引はもはやしていないと明らかにした。

クリスピン・オデイ氏  

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クリスピン・オデイ氏

出典:Odey Asset Management

  オデイ・アセット・マネジメントを創業したオデイ氏は、元切り下げに備えたポジションで成功した15年に、人民元はさらに30%以上値下がりすると予測していた。今は若干、見方を調整している。

  8月8日のインタビューで、中国の巨大な経常黒字に触れながら、当局が「人民元を非常に容易にコントロールできる」と話した。

ケビン・スミス氏

  スミス氏は15年の元切り下げに先立つ1カ月前、中国の「極端」な経済不均衡を理由に、人民元は「極めて過大評価されている」と述べていた。通貨オプションと中国株のショートポジションを通じ、今でも弱気な見方を堅持している。

ジョン・バーバンク氏

  パスポート・キャピタルのバーバンク最高投資責任者(CIO)は15年後半、中国経済のハードランディングが世界的なリセッション(景気後退)の引き金になり得ると主張。16年5月には、大幅な元切り下げがあると予測していた。

Key Speakers At The SALT Conference

ジョン・バーバンク氏

写真家:Jacob Kepler / Bloomberg

  同氏は人民元についてしばらく公の場で発言していないものの、ブルームバーグ・ニュースが確認した7月31日の投資家宛て書簡は、中国に対する見方を和らげていることを示唆している。「最近の経済データは実際、短期的に力強い成長が続くことを後押ししている」と記した。

ダグラス・グリーニグ氏

  フローリン・コート・キャピタル創業者のグリーニグ氏は16年6月、英国民の欧州連合(EU)離脱選択に伴う市場の混乱を受け、中国が人民元を切り下げる可能性があると分析。だが今年8月、同氏のファンドのクオンツモデルが人民元選好に転じたと説明し、電話インタビューで「中国勢は元売りを増やす可能性があるが、海外からの資金流入がそれを打ち消す公算が大きい」と述べた。

原題:Hedge Funds Used to Love Betting Against China. Now, Not So Much(抜粋)

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